【Q&A】「孫の学費に」と我が家への援助を考えている祖父母。普通に振り込めばいいの?税金はどうなる?
【Q4.学費を直接振り込んだり専用の口座を使うのは少し手間……もっと簡単な方法はないの?】 A.年間110万円まで贈与税がかからない暦年贈与を活用しよう! 前述にもあるように、暦年贈与を活用すると、贈与額が年間110万円以下の場合は贈与税がかかりません。名目を教育費とすることはできませんが、子や孫の銀行口座に直接送金できる手軽さがメリットといえるでしょう。 贈与税を非課税にするためには、贈与を受け取る人の合計贈与金額を110万円以下にする必要があります。祖母から100万円、祖父から100万円を一人の孫に贈与した場合、合計贈与額は200万円になるため、基礎控除である110万円を超した90万円分が贈与税の対象となるため注意が必要です。 お孫さんにほかの贈与がないか確認しながら、贈与額を年間110万円以内にするのが、祖父母と孫の両者に手間がかからない教育費の援助方法の一つといえるでしょう。 ただし、毎年同じ金額の贈与を繰り返した場合は「定期贈与」とみなされ、年間合計贈与額が110万円以下だとしても贈与税の課税対象となる可能性があります。 たとえば、毎年100万円を10年間贈与すると決めて贈与を行った場合、贈与合計額の1,000万円が贈与税の課税対象になります。そのため、贈与の金額や時期は毎年同じにしないほうがよいでしょう。
令和8年(2026年)3月31日までは教育資金の一括贈与非課税制度が利用できる
【Q5.祖父母から孫へ教育費をまとめて渡したい時はどうすればよい?】 A.教育資金の一括贈与非課税制度が利用できる お孫さんの教育費を一括で渡したい場合は、最大1,500万円までの教育資金の一括贈与が非課税になる制度があります。平成25年4月1日から開始した制度で、令和8年(2026年)3月31日までに行われる贈与が対象です。 制度の利用方法は以下の流れで行います。 1.金融機関で教育資金口座の開設 2.教育資金非課税申告書を金融機関に提出 3.教育資金非課税申告書を金融機関が税務署に提出 4.開設した口座へ贈与する教育資金を入金 5.口座から教育資金の支払いや払い出しをした場合は領収書等を金融機関に提出 注意点は、 ・制度の対象となるのは30歳未満の孫 ・孫が23歳になった時点で、習い事などの費用に利用不可 ・教育費以外で使った分は贈与税の対象 ・使い切れなかった金額も贈与税の対象 の4つが挙げられます。 教育資金口座の開設や領収書の提出といった手間はかかるものの、相続税対策としても有効な方法ですので、教育費を一括で贈与したい祖父母のかたは、検討してみてはいかがでしょうか?