北朝鮮との境界線近くで田植え 参加市民、軍事緊張に「胸痛い」
北朝鮮との軍事境界線に近い韓国北部、江原道鉄原の民間人の立ち入りが制限された農地で、市民らが参加する田植え体験イベントが開かれた。南北の軍事的緊張が高まっており、参加者は「同じ民族なのにどんどん離れていっている。胸が痛い」と漏らした。 軍事境界線から5~10キロの一帯は軍事作戦上の理由で民間人統制区域と定められている。原則として営農者など限られた人だけが軍の検問所を通って入ることができる。 イベントは区域内などで農業を営む金龍彬さんらが一般の人たちに平和や統一の重要性を考えてもらおうと約20年前から実施している。今年は1日に行われ、首都圏などから家族連れなど約70人が参加した。 そのひとりで西部仁川の大学職員、林ジョンミンさん(27)は「北朝鮮側から来る水で稲が育つとの説明を聞き、新鮮に感じた」と話した。 北朝鮮は5月下旬からごみをぶら下げた風船を韓国に飛ばし、韓国側は対抗措置として、2018年に南北で結んだ軍事合意の効力の全面停止を宣言。境界付近での軍事訓練再開に向けて準備を進めている。