パリ五輪に世界各地で反対デモ 「人権侵害、環境破壊の五輪は廃止を!」
パリ五輪は7月27日未明(現地時間26日夜)、セーヌ川で開会式をした。五輪が「巨大な利権と政治の祭典」であることは歴史が証明しているが、汚職と談合にまみれた前回2021年の東京五輪では、電通など6法人22人の裁判が続き、「負の遺産(レガシー)」の清算はこれからだ。華々しく報道されている「スポーツショー」は人権侵害や環境破壊の上に成立する。「世界中で五輪廃止を」と訴える国際行動が開会式前夜にパリ、東京、ソウル、ロサンゼルスなどの五輪開催都市であった。
東京では新宿・アルタ前に「反五輪の会」や「オリンピック災害おことわり連絡会」のメンバーら約50人が集合。五輪を支えるイデオロギーが「創設者ピエール・ド・クーベルタンの能力主義、人種主義、競争主義、性差別主義、国家主義、エリート主義だ」と道行く人々に問いかけた。外国人観光客を含めて数百人の人々が耳を傾け、賛否両論を表明していた。 今回の開会式で仏当局は、マリ共和国(仏植民地時代はスーダン)との二重国籍を極右から非難されていたラッパー、アヤ・ナカムラに歌わせるなどで、「広く開かれた五輪」をアピールした。 しかし、東京五輪の際に公園や路上から追われた野宿者を含む当事者団体「ねる会議」の小川てつオさんは①パリ当局は首都圏「美化」のために五輪前の1年で1万2545人のホームレスをテントや橋の下、占拠している廃屋や仮の宿から強制退去させた②サハラ砂漠周辺のアフリカ諸国から地中海などを経由してパリ20区の公園にたどり着いた10代の未成年移民ら230人は、11区の市文化施設メゾン・デ・メタロで暮らしていたが最近になって17区の体育館に強制移動させられた③この立ち退きはメタロで「Festival d,été de TOKYO(東京の夏祭り)」という東京の企業のPRイベントをするため。日本企業の宣伝活動がアフリカ出身の若者困窮者の生活の場を奪っている――などと指摘。「東京五輪とパリは関係ないどころか、さらに酷い人権侵害が続いている」という。