え?歯磨きで認知症を予防?身近に潜む認知症リスクと対策を専門医が解説
認知症リスクを遠ざける3つの対策
今野先生が教えてくれた対策は大きく3つです。ずっと元気な脳でいるために、できそうなものから始めてみましょう! ■認知症対策1:歯のケアをする 虫歯を防ぐために、1日2回、少なくとも2分間歯をみがく習慣をつけましょう。歯間ブラシも忘れずに。また、3ヶ月に一度は歯医者さんで定期検診を受けましょう。 「虫歯を減らすためには普段の食事の取り方を工夫することも大切です。ゆっくりとよく噛んで食べるようにすれば、唾液が十分に分泌されて虫歯菌の増殖が抑えられます。 また、砂糖やブドウ糖の使用もできる範囲で控えましょう。こうした糖の取りすぎは、虫歯はもちろん、糖化反応の原因にもつながります。虫歯予防では、ソルビトールやキシリトールが配合されたガムを嚙むのもおすすめです」(今野先生) ■認知症対策2:耳の健康を意識する 耳の不調は50代から増え始めます。早いうちから耳にいい食べ物を取り入れて、耳の聞こえを守るケアを意識していきましょう。耳にいいとされるのは亜鉛やビタミンB12を含む貝類や青魚、レバーなど。これらを普段の食事に積極的に取り入れて。 なお、聞き返すことが増えてきたなど気になる症状がある人は、一度耳鼻科を受診してみましょう。 ■認知症対策3:趣味や推し活など楽しいことを見つける 人と交流し、笑顔が増えることは脳の刺激につながります。また、趣味や推し活で外出する機会が増えれば、おのずと体を動かすことが増え、血流アップにつながります。 さらに昼間に外出して日光を浴びれば、睡眠ホルモン「メラトニン」の原料となるセロトニンの分泌が促され、夜にぐっすりと眠りやすくなります。 認知症を遠ざけるポイントは、食生活の見直しや生活習慣のちょっとした工夫にあります。虫歯など身近なリスクを意識的に回避して、脳の元気を保っていきましょう。 【監修者プロフィール】今野裕之さん 医療法人社団TLC医療会ブレインケアクリニック名誉院長、一般社団法人日本ブレインケア・認知症予防研究所所長、医学博士。順天堂大学大学院卒。老化予防・認知症予防を専門とする。日本大学附属板橋病院・薫風会山田病院などを経て2016年にブレインケアクリニックを開院。各種精神疾患や認知症の予防・治療に栄養療法やリコード法を取り入れ、患者一人ひとりに合わせた診療にあたる。 最新著書に『ボケたくなければ「寝る前3時間は食べない」から始めよう』(世界文化社刊)がある。
ハルメク365編集部