人口減で先細りする東北市場でAGFの支社が「ブレンディ」ポーションで挑む前例のない取り組みとは?
人口減少率が全国平均を大幅に上回り需要の先細りが予想される東北市場で、味の素AGF社の東北支社が前例のない取り組みに挑戦している。 東北支社が、東北のエリアに根差した商品を発案。このアイデアをもとに本社と連携して「ブレンディ」ポーションアップルミルクティーベース(以下、アップルミルクティーベース)を開発した。 販促計画も支社内で立ち上げたタスクチームで入念に練り上げた。 東北産りんご果汁を使用した地産地消型商品として、様々な販促施策と合わせて小売店に提案したところ、多くの企業から共感が得られ想定以上の採用に漕ぎつけた。 これまで採用が難しかった既存の「ブレンディ」ポーションも改めて新規採用されるといった波及効果も生まれた。 アップルミルクティーベースは、東北エリアを中心に3月から9月までの期間限定で販売開始されている。東北支社発案の最初の商品であり、次の展開につなげるべく最需要期の夏場に店頭活動に力を入れている。 東北支社が今回、前例のない取り組みに挑んだ背景には、加速する人口減少への危機感があった。
取材に応じたタスクチームのリーダーで、東北支社営業企画グループの小川容平氏は「東北は人口減少が著しいエリア。今までと同じことをやっていては売上げの確保が難しくなり我々の存在意義がなくなってしまう。失敗を覚悟でとにかく何でも新しいことにチャレンジしようと思い立った」と語る。 AGFではかねてよりエリア商品を展開。 「ちょっと贅沢な珈琲店」ブランドのレギュラーコーヒーとスティックブラックで各地域の嗜好に合わせたエリア商品を発売し、東北では「東北コクゆたかブレンド」が好評を博している。 これに対し、アップルミルクティーベースは「東北コクゆたかブレンド」などとは異なり、東北支社が管轄エリアの生活者の実態を深堀りして発案し開発されたものとなる。 東北支社南東北営業グループの杉谷勝裕氏は「小売店の売上拡大に貢献するだけに留まらず、生活者の方に対しても、もっと深くアプローチするために何ができるのかを議論した」と語る。