友人の車の後部座席で「シートベルト」を着けていなかったら、「罰金1万円取られるから着けて」と言われました。昔は“義務”ではなかったと思うのですが、罰金1万円って本当でしょうか?
運転席や助手席ではシートベルト着用義務があることは周知の事実ですが、後部座席というと「法的義務」「努力義務」「高速道路では義務だが一般道路では努力義務」「義務ではない」などさまざまなことが言われており、どういう扱いか迷う人も多いのではないでしょうか。「後部座席のシートベルト未着用は罰金1万円」と聞いている人もいるかもしれません。本記事で、後部座席シートベルトの正しい運用方法を解説します。 ▼ハンズフリー通話での運転は「違反」になる? ペナルティが発生する場合についても解説
後部座席のシートベルト着用率は運転席や助手席よりも低い
警察庁とJAFが合同でおこなった調査によると、シートベルトの着用率は運転席、助手席いずれも97%以上です。一方、後部座席については年々着用率が上昇しているものの、2023年時点で一般道路43.7%、高速道路など78.7%です。 特に一般道路では、後部座席のシートベルトは未着用の人が多いといえるでしょう。
後部座席のシートベルト着用は義務
結論として、一般道路でも高速道路でも、後部座席のシートベルト着用は法律上の義務です。具体的には、道路交通法第71条の3にて規定されており、運転者は自身のみならず、運転者席以外すべての同乗者にシートベルトを着用させなければなりません。 なお、病気などやむを得ない理由がある場合は除くとしています。
後部座席でシートベルトを未着用だった際の罰金はいくら?
後部座席のシートベルト着用は義務ですが、もしも未着用が警察に見つかった場合の罰金はいくらなのでしょうか? 実は、後部座席のシートベルト未着用については、罰金はありません。 つまり、冒頭の様に「罰金1万円」が課せられるといった情報はうわさであり、間違いです。 ただし、高速道路での着用義務違反は、運転者に対して違反点数1点が加算されます。優良運転者の免許証、いわゆるゴールド免許を持っていても、違反で点数が加算されると一般運転者免許証、いわゆるブルー免許になってしまい、保険料が高くなる可能性もあるので注意が必要です。
後部座席でシートベルトを未着用だった際のリスク
罰金はないとはいえ、後部座席でシートベルト未着用の状態は決して望ましい状態ではありません。 警察庁によると、後部座席でシートベルトを着用しないと次のリスクが高まるとしています。 ●車内で全身を強打する可能性 ●車外に放り出される可能性 ●前席の人が被害を受ける可能性 実際、後部座席のシートベルト未着用時の致死率は、着用の場合と比較し、高速道路で約25.9倍、一般道路で着用時の約3.3倍高くなっています。 また、交通事故の被害者になったとしても、シートベルト未着用により被害が拡大した場合、被害者側にも過失があると判断されるかもしれません。その場合、被害者であっても、損害賠償などの場面で十分な補償が受けられなくなる可能性があります。
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