高速道路を無人トラックが走る!でもコストは乗用車も負担?ドライバー不足解消に向け実証実験
ドライバーの人手不足解消に向け、自動運転トラックの実証実験が進んでいる。高速道路を無人トラックが行き交う未来が近づいているが、実現には道路に大量のセンサーを設置するなど大きなコストがかかる。それを誰が負担するのか? トラックだけではなく一般車両のドライバーにもサービスを提供し、「利用者負担」で賄うことが想定されているが、うまくいくのか? 【写真】自動運転トラックの実証実験の概要を示すパネル (桃田 健史:自動車ジャーナリスト) 無人トラックが高速道路の自動運転車優先レーンを走る。 いわゆる物流の「2024年問題」などを背景とした、国が進める自動運転プロジェクトの未来図だ。 国土交通省は12月4日、自動運転トラックの実証実験の一部を報道陣に公開した。11月5日に実証実験の概要を公表しており、実施区間は新東名高速道路の浜松SA(サービスエリア)から駿河湾沼津SAまでの約100km。今回公開されたのは、起点となる浜松SAでの実証だ。 自動運転トラックは、まずは2024年度内から2025年度にかけて自動運転車優先レーンで実現させることが目標とされている。運行時間は、土日祭日と特定日を除く夜10時から午前5時までとし、有人の自動運転レベル2で第1通行帯(一番左の車線)を走行させる。 2026年度以降は、東北方面への展開を含めて関東と関西の間で実施する。ここでもまだ有人での自動運転レベル2だ。台数規模は大手事業者を中心に10~50台を見込む。 その後は2030年頃を本格的な普及期として、関東から関西で無人の自動運転レベル4で運用を目指している。台数規模は400~600台を見込む。 さらに、2035年頃を拡大期とし、無人トラックの走行区間を東北から九州まで広げ、台数規模は中小事業者を含めて数千台規模になるとの予測を立てている。 こう聞くと、あと10年以内に高速道路の風景は様変わりするように思える。 果たして、国の自動運転トラック構想は予定通り実現するのだろうか。 まず、今回の実証現場の様子を紹介する。