[猫学48回目]「猫学(ニャンコロジー)」を22倍くらい楽しむ方法
ミールの思い出は?
秋田県の佐竹知事が飼っているサイベリアンのミールが12月3日、この世を去りました。享年12歳。寿命は平均的な猫よりもやや短いとされるサイベリアンとはいえ、人間でいえば64歳ほどですから、早すぎる死という気もして残念です。 ロシアのプーチン大統領から佐竹知事にミールが贈られたのは13年2月のこと。“猫知事”と呼ばれる愛猫家の佐竹知事のもとで、ミールはとても大事にされました。私も17年に秋田県知事公舎にうかがい、ミールが佐竹家の他の猫たちとよくなじみ、とても仲良くしている様子を目の当たりにしました。 私は佐竹知事の長女、久美(ひさみ) さんからミールが抗がん剤の治療を受けていることを聞いていました。今年11月下旬、ミールが予断を許さない状況になった頃、久美さんは私が17年に撮ったミールの写真を改めて見て、「ミール君、若かったねー。いまは、とっても痩せちゃってね……」とさみしげに語りました。
久美さんによると、12月5日に火葬されたミールの骨はとても立派だったそうです。ミールは病気になるまでは食欲旺盛で、栄養のある餌を与えてもらっていたからでしょう。 私はかつて、ロシア極東やシベリアに計3回、出張取材したことがあります。シベリアは年中寒いと勘違いされやすいのですが、実際は短い夏は蒸し暑いものです。 シベリアの地方自治体と秋田県のビジネス交流で、アドバイザー役を務めた国際教養大特任教授(当時)の竹村豊さんは「シベリアと秋田の気候は似た面がある。シベリア原産のサイベリアンは秋田の気候に慣れやすかったでしょう」と振り返ります。 数奇な運命を背負ったミールですが、佐竹家で愛情をたっぷり受けた“猫生”だったと言えるでしょう。「パコーイサャー ス ミーラム ナ ゼムリェー “アキタ”、 パホージェイ ナ トゥヴァユー ローヂヌー(君の故郷に似た秋田の地で安らかに眠ってください)」 ミールと“猫知事”についてより知りたい方は 「数奇な運命の猫~ロシアから秋田にやってきたミール」をご覧ください。