クシュタール会長、7&i全体の買収に関心-日本事業は維持
(ブルームバーグ): セブン&アイ・ホールディングス(HD)に買収提案したカナダのアリマンタシォン・クシュタールの創業者で会長のアレイン・ブシャード氏は、7&iHD全体の買収に関心があるほか、買収した場合でも同社の日本における事業については維持していく考えを示した。
ブシャード氏とアレックス・ミラー社長らが17日、都内でのインタビューに応じた。買収が仮に合意に至った場合、世界最大のコンビニエンスストア企業が誕生するため規制当局が懸念を示す可能性もあるが、ブシャード氏は我々は答えを持っていると自信を示した。
ブシャード氏は7&iHD買収を通じて巨大な価値創造が見込めると説明。また今回の訪問は、クシュタールという企業をよく知ってもらう目的だと明らかにした。今回のクシュタール幹部の訪問は、同社の真剣な姿勢を反映したものといえる。
ブシャード氏らは、今回の訪問で7&iHDの幹部と会うことはできなかったという。「日本文化についてより理解を深めたいと思っているが、今はこの取引に関する日本側の懸念事項について理解したい」と話す。
ただ7&iHDで買収提案を検討する特別委員会のスティーブン・ヘイズ・デイカス取締役会議長とは、時期を明らかにしなかったが面談したと明かした。
7&iHDの担当者は、クシュタールの要請に従って協議については非公開としてきたとコメント。自社のスタンドアローンでの価値を認識し、規制上の懸念を払拭する協議には真摯(しんし)に対応するが、引き続き非公開の協議を望むとした。
インタビューに同席した同社のフィリペ・ダ・シルバ最高財務責任者(CFO)は、資金調達にも自信を持っていると強調。すでに日本のメガバンクの1行と協議をしていると明かした。また買収後も7&iHDに必要な投資を続けていくことや、信用格付けを維持できると確信していると話した。
買収資金の調達に関し、カナダ・ケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)の上級幹部は、クシュタールが株式公開買い付けを進める場合、支援する可能性が高いとしている。