クシュタール会長、7&iHD全体の買収に関心-日本事業は維持
クシュタールの買収提案は、外資による合併・買収(M&A)は難しいと見なされてきた日本企業が変化に対応できるかどうかを占う試金石と位置づけらている。買収が実現した場合、海外企業による日本企業の買収として過去最大規模となる可能性がある。
7&iHDは事業の多角化で企業価値が過小評価される「コングロマリット・ディスカウント」からの脱却をアクティビストから求められ続けてきた。クシュタールの提案は、株価低迷から抜け出す機会になると市場は好意的に受け止めるが、7&iHDは自力で企業価値を引き上げる施策をアピールする。
10日にはコンビニ事業に集中するための組織再編計画の具体案を明らかにした。社名を「セブンーイレブン・コーポレーション」に改め、スーパー関連などの31の非中核事業は、新たに設置した中間持ち株会社に集約する。
ただ株主からは反発の声も上がる。米資産運用会社アーチザン・パートナーズは、7&iHDが提示した事業再編計画の結果得られる評価よりも、クシュタールの買収提案額の方が優れていると指摘。買収再提案に応答すべきだと促す内容の書簡を取締役会宛てに送った。
クシュタールは過去2回にわたり7&iHDにアプローチしてきたが、いずれも拒否されてきた。
クシュタールは、日本で最も愛されているブランドの一つである7&iHDを台無しにするようなことはしないとブシャード氏は強調。「従来のモデルは変えないで、われわれが適応する」とした上で、現在の経営陣にも残ってもらい、クシュタールの文化を共有するような役割を担ってもらいたいとした。
(c)2024 Bloomberg L.P.
Koh Yoshida, Reed Stevenson, Hideki Suzuki