富士見が迫り来る伊豆総合の追撃を振り切り3回戦進出
10月5日、第103回全国高校サッカー選手権静岡予選1次トーナメント2回戦が県内各地で行われ、伊豆総合と対戦した富士見が3-2で勝利を収め、3回戦進出を決めた。 富士見ボールのキックオフで始まった試合は、開始早々から伊豆総合が前線のスピードを活かし、積極的にDFの背後を狙うと2分、FW11近藤瑚太郎がゴール前のルーズボールをシュートに持ち込むが、これは枠の上を超え先制ならず。7分にもFW10中西拓也が左サイドに抜け出し、ペースを握りかけた伊豆総合だったが、8分、自陣でのルーズボールをMF6野村翔成に決められ、主導権を渡してしまう。追いつきたい伊豆総合は、必死に前にボールを運びにかかるが、焦りもあって繋がらず、ピッチ内からも「丁寧に繋いでいこう」と声がかかる。 これに対し富士見は35分、クロスボールの処理がルーズになったボールを野村が再びゴールに蹴り込みリードを2点に広げる。富士見は前半終了間際にも前がかりの相手DFの裏に抜け出したMF10秋山莉玖の独走から最後はMF7大杉遥基がシュートを放つが、ここは伊豆総合のGK1菊池健太の好守もあって追加点は奪えず、前半を2点のリードで折り返す。 「何となく頑張ってで結果が出なかったら悔いが残る。目一杯やって悔いを残さないようにしよう」と望月省吾監督の言葉に送り出された伊豆総合は、エンドが変わった後半、スタートから息を吹き返すと42分、右サイドからのパスを中央で受けた中西のシュートがGKに弾かれるもののコースよくそのままゴールへ転がり1点を返す。 しかし、この失点で再び目を覚ました富士見は、49分、途中出場のMF9漆畑俊太のシュートを皮切りに次々と攻撃を仕掛けると56分、ロングスローのセカンドボールを回収した大杉の折り返しを野村が豪快に叩き込んでハットトリックを達成、主導権を引き戻す。 だが、諦めない伊豆総合も終了間際の79分、ドリブルで持ち込んだ中西が、再びゴールを決め詰め寄るとムードは押せ押せに。それでも冷静にボールキープを続けた富士見が、最後は逃げ切ってシード校・飛龍の待つ3回戦へ進出を決めた。 試合後、富士見・小川明浩監督は「ヒヤヒヤもんで…前回同様1点差で(笑)。走れていない部分もあって自分たちのゲームプランに届いていない内容でした」と苦笑いと共に悔しさを見せた。次戦に向けては「シード校とやるのを目標としていたので、そこには届きましたが、今日の内容ではとても足元には及ばないので、一週間かけて良い勝負できるように準備していきたいです」と選手たちの奮起に期待を込めた。 キャプテンのDF4清絃太郎は「先制点は取れたのですが、失点して悪い流れになりそうでしたが、そのままやられず最後まで諦めずやれたことで勝ち切れたと思います」と試合を振り返った。そして「負けたら終わりのトーナメントなので1試合1試合に向けてチームがプレーできていると思います。相手はウチに負けるとは思っていないと思いますので、そういうところに勝って選手権を上がっていきたいです」と次戦での健闘を誓った。 見事にハットトリックを決めた野村は「結構厳しかった部分がありましたが、みんなが守備を頑張ってくれて、自分も点が取れて良かったです」とホッとした表情を見せた。次戦に向けては「1、2年生と共にみんなで頑張って飛龍戦を勝ちたいと思います」と意気込みを見せた。 (文・写真=西山和広)