同じ5穴でも数字が合わないとハマらない! なぜか中途半端な数字も多いホイールのP.C.D.ってなに?
ホイールを交換するならまずはPCDを確認
ホイールのサイズは少々ややこしくて、直径(リム径)とリム幅の単位は「インチ」で、インセット(ホイールのリム幅の中心線から取り付け面までの距離)の単位は「ミリ」。そしてもうひとつ、P.C.D.も単位は「ミリ」だ。 【写真】「1円玉」「ハヤシ」「ナベハチ」! 往年の名作ホイール大集合 P.C.D.とは、(Pitch Circle Diameter ピッチ・サークル・ダイアメーター)の略で、ボルト穴の中心を結んでできる円の直径を表している。乗用車の場合、ホイールの取り付けボルト穴が4つ(4穴)か5つ(5穴)がほとんどなので、円の直径といっても厳密にいうと仮想の円の直径になる。 余談だがこのボルト穴数は、車両総重量もしくはエンジン出力によって決まってくる。車重が軽い軽自動車やコンパクトカーだと4穴が主流で、排気量の大きいスポーツカーやSUV、ミニバンなどは5穴。トラックなどホイールの負担が大きい車種は6穴以上と穴数が増える。 こうした事情から、P.C.D.は自動車メーカーや車種によっても結構違う。国産車の場合、もっとも一般的なのは、114.3mmの5穴。そして軽自動車やコンパクトカーだと100mmの4穴が多い。 その他、スバル車を中心に100mmの5穴のクルマも少数ながら存在する。トヨタのプリウス、カローラスポーツもこのサイズ(BRZと共通の86も)。もっともスバル車も114.3mmの5穴が増えてきたので、車種ごとに確認が必要だ。 さらにレアだと、シビックタイプR(FK2、FK8)のように、120mmの5穴なんてクルマもあるので、ホイール選びが難しい。 輸入車だとメルセデス・ベンツはほぼ112mmの5穴で統一。VW、アウディも大半が112mmの5穴。BMWも112mmの5穴が増えてきているが、以前は120mmの5穴がメインだった。ポルシェだけは全車130mmの5穴だ(マカンは例外)。 フランス車は100mmと108mmしかないと思っていい。とくにプジョーとシトロエンは108mmオンリー。ルノーは5穴だと108mm、4穴だと100mmとわかりやすい。ボルボも108mmの5穴で統一されている。 このP.C.D.、100mmとか130mmならわかりやすいが、国産車に多い114.3mmなんて、どうしてこんなに半端な数字になってしまったのか? これはもともとインチ表記だったものを、「mm」に換算したため。114.3mmはインチ換算すると4インチと1/2、108mmは4インチと1/4といった具合だ。
藤田竜太