【大学受験】総合型選抜で増える「下克上」 偏差値の大逆転ができる入試を専門家が解説
自分に合ったスタイルを探す
総合型選抜のスタイルは多様なので、自分に合った課題かどうかを検討することも重要です。 【総合型選抜の主なスタイル】 ①将来性評価型(議論、プレゼンテーション、表現力で評価) →慶應義塾大学SFC、名古屋大学、神戸大学、筑波大学、中央大学法学部、千葉大学、同志社大学、関西学院大学(探究評価型)、奈良女子大学(探究力入試「Q」)、西南学院大学(学びと探究型)、南山大学(プレゼンテーション型)など ②中間型 →早稲田大学国際教養学部、お茶の水女子大学、九州大学共創学部など ③達成度評価型(資格、経験、教科学習型) →東京大学、京都大学、一橋大学、早稲田大学スポーツ科学部など (ルートマップマガジン社が2024年に実施した、全国300塾への聞き取り調査から) ①がスタンダードなものです。多くの大学では学科試験は課さず、書類審査や志望理由書、小論文、面接などを実施します。「大学での学習意欲」「高校で努力してきたこと」などが評価の対象になるため、実力以上の難関大学への合格を狙うならば、①の方式を狙うのがおすすめです。 ③は出願要件に英検準1級以上など語学検定の成績、共通テストなどの学力試験、世界レベルのコンクール上位入賞などの条件が課されます。学力試験が得意なトップ校向きなので、逆転合格を狙うなら避けたほうがいいでしょう。
3つの事例と「総合型」の課題
ここで、①の「将来性評価型」の大学に絞って総合型選抜を受験して、見事、合格を勝ち取った事例を紹介します。 ●埼玉県・偏差値30台の高校 →高校1年から地域の団体に参加。担任の勧めで桜美林大学の総合型選抜のイベントに参加 →青山学院大学コミュニティ人間科学部、桜美林大学リベラルアーツ学群に合格(評定平均4.9) →青山学院大学在籍時に起業→大手の商社から内定をもらうも、そのまま自分の会社を経営 →卒業後、筑波大学大学院(社会人大学院)に進学予定 ●新潟県・偏差値30台の高校 →進路担当教員のアドバイスで、高校1年から法学検定や放送大学の教授にアプローチ。学びたいテーマが決まる →法学部出身の高校教員などにアドバイスを受けながら、興味のあるテーマで論文を作成 →中央大学法学部に合格(評定平均4.8) →将来は弁護士になり、その後、大学教授を目指したい ●東京都・偏差値30台の高校 →高校1年次には立教大学を受験することを決める。入試の出願に必要な韓国語能力試験を猛勉強しつつ、教育に関する課題を1年間、担任からヒアリング。高校2年でレポートにまとめあげる。担任の紹介で学校教員が集まる団体に参加、イベントの手伝いやアンケートなどを実施してレポートを作成 →立教大学文学部教育学科に合格(評定平均5.0) →韓国・延世大学に留学、大手通信会社に内定 いずれも学外のイベントへの参加や資格試験を受けるなど、興味のあることに関して積極的に行動していることがわかります。また、それを高校1年の早い時期にスタートし、学校教員のサポートを受けていることや、評定平均が高いことも共通しています。