横浜流星も「戦いたい」と熱望 岡田准一とアクションで共演してほしい俳優たち
VS池松壮亮
各作品で繊細な芝居を見せてくれる若き名優の彼が、この場にいることを意外に思う方もいるかもしれない。そう思うならば、2024年に公開された『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』(以下、『ナイスデイズ』)を観てほしい。2度に渡る伊澤彩織との戦いは、筆者が今年観たアクションの中で、ダントツのナンバー1だ。彼は、アクションも超一流だ。 『ナイスデイズ』で彼が演じた冬村かえでは、『ベビわる』シリーズ最強の殺し屋だ。あのまひろに、1度目は勝っているのである。ファイトスタイルも無駄がなく、かつえげつない。足を踏んでから殴る。鼓膜と三半規管を壊す、耳への掌底。高速のパンチ連打に、たまに貫手(指先での打突)が混ざる。目や喉を狙っているのだろう。 極めつけは、まひろ得意の頭突きをかわしての、上から叩き落とす頭突きだ。そのままサンドイッチして、相手の頭部を地面に打ちつける(このシリーズは、本当に頭突きの描き方が素晴らしい)。岡田師範得意の低い高速タックルも、この冬村かえでなら、上からの頭突きで叩き落とすかもしれない。 この2人は、以前『散り椿』(2018年)という作品で共演している。そのときの岡田准一は、まるで往年の三船敏郎のようなオーラをまとった侍だった。対する池松壮亮は、まだまだ成長過程の若侍だった。あれから6年たった今、池松壮亮は、その成長を見せつけることが出来るだろうか。
VS佐藤健
佐藤健と言えば、『るろうに剣心』(以下『るろ剣』)シリーズの緋村剣心である。そして岡田准一は、『燃えよ剣』(2021年)の土方歳三だ。『るろ剣』原作上では、幕末期に剣心と土方に接点はあったようだ。だがどうせなら、岡田土方との対決が観たい。 『燃えよ剣』において、土方歳三と岡田“人斬り”以蔵(村上虹郎)の対決が描かれている。土方の修めた天然理心流は、剣術だけではなく、柔術や小具足術も兼ね備えた総合武術である。従って土方は、以蔵との斬り合いの最中でも組み討ちに持ち込む。最終的に、テイクダウンからの送り襟絞めで絞め落とす。 剣心のモデルは肥後藩の河上彦斎だと言われているが、「幕末四大人斬り」の他の面々も、モチーフにはなっているだろう。当然、人斬り以蔵も。従って、土方VS以蔵の対決を「仮想・土方VS剣心」と見ることもできるが、やはり違う。 正直な話、やはり岡田准一VS佐藤健が観たい。『るろ剣』シリーズを観ればわかる通り、佐藤健の身体能力は尋常ではない。あの剣心の人智を超えた動きも、ほとんど本人がノースタントでこなしているのだ。 この勝負も、VS横浜流星と同じく、寝技に持ち込めたら岡田土方の勝ち。持ち込めなければ佐藤剣心の勝ちであろう。しかしあれだけの剣技と足さばきをかわしてタックルを決めるのは、並大抵ではない。岡田准一ならば、そこに説得力を持たせてくれるはずだと信じている。