F1雨用タイヤカバー、設計からやり直し? テスト参加したベアマン「ほんの少しはマシだったけど……」
フェラーリは5月9日、フィオラノで行なわれたテストで新しいスプレーガード(水飛沫防止用のタイヤカバー)をテストしたが、テストに参加したオリバー・ベアマンはデザインからやり直す必要があると語った。 【ギャラリー】アップデート版をテストしたフェラーリ。レッドブルに太刀打ちできるか?? FIAはウエットコンディション時の視界改善に向けて、水飛沫を減らすための対策を検討している。 その対策の一環として、マシンに追加搭載し、水飛沫を低減するスプレーガードがテストされている。今回フィオラノでテストされたものは第2段の試作品であり、タイヤをより広く覆う形状となった。 人工的にウエットコンディションとされたフィオラノで、シャルル・ルクレールの弟であるアーサーがスプレーガードをつけたマシンをドライブ。フェラーリのリザーブドライバーを務めるベアマンが彼の後ろにつき、視界改善の効果を観察した。 エミリア・ロマーニャGPではFP1でハースのマシンをドライブする予定のベアマンは、新しいデザインでは十分な違いが得られなかったため、FIAは”振り出しに戻る”必要があると語った。 motorsport.comの取材に応じたベアマンは、「僕はホイールカバーを装着して走るルクレールの後を追ったんだ」と、テストについて語った。 「今のところ、特に言うことはない。ビデオを見ただろうけど、かなり(スプレーガード無しの状態に)似ていたよ。だから振り出しに戻って考え直す必要があると思う」 「いくつか異なる構成を試したけど、ストレートでついていけるかどうかを確認するために、路面を濡らしたのはストレートだけだった」 「4、5回走行して、いろいろなレベルのアクセル開度を試した。(カバーを)完全にクローズすると、タイヤの温度もかなり厳しいからね」 ベアマンは、現行F1マシンが、グランドエフェクトを使ってフロアから発生させるダウンフォースに大きく依存していることが、水飛沫を軽減することを難しくしていると感じている。 「問題なのは、これらのマシンがフロアから大きなダウンフォースを得ていることだと思う。空気はそこからエネルギーを得て(巻き上げられ)、もちろん水飛沫もその空気に従うんだ」 「視界はかなり厳しかった。確かにほんの少しはマシになったが、まだ解決していない」
Filip Cleeren, Jonathan Noble