11月として異例の大雨特別警報 奄美は土砂災害や浸水害に最大級警戒を 奄美・沖縄は午後も猛烈な雨のおそれ
きょう9日(土)午前11時現在、梅雨末期並みの非常に湿った空気が流れ込んでいる影響で、鹿児島県奄美地方南部の与論町には「大雨特別警報」が発表されている。午後も奄美や沖縄では猛烈な雨や非常に激しい雨が降るおそれがあり、すでに記録的な大雨となっている所へさらに雨の量が増える見通し。奄美ではきょう9日(土)夕方にかけて、土砂災害や低い土地の浸水に最大級の警戒が必要だ。
線状降水帯が発生 11月初の大雨特別警報
きょう9日(土)未明から朝にかけて、奄美や沖縄には高気圧のふちを回る梅雨末期のような非常に湿った空気が流れ込み、線状降水帯が発生した。記録的短時間大雨情報が何度も発表され、気象庁は午前2時40分、鹿児島県奄美地方南部の与論町に「大雨特別警報」を発表した。なお、気象庁が11月に大雨特別警報を発表したのは運用が始まった2013年以来、初めてのこととなる。
あす10日(日)にかけてさらに雨量増加
午前11時現在も奄美・与論町には大雨特別警報が継続して発表されている。この24時間に降った雨の量は588.5ミリと観測史上最大となっており、与論町では年間降水量の約3分の1に相当するこれまで経験したことのないような記録的な大雨になっている。
きょう9日(土)午後も、奄美や沖縄など南西諸島には梅雨末期並みの非常に湿った空気の流れ込みが続き、雷を伴った猛烈な雨や非常に激しい雨が降るおそれがある。あす10日(日)朝までの24時間に降る雨の量は、多い所で奄美で300ミリ、沖縄では200ミリの予想だ。
奄美は土砂災害や低地浸水に最大級警戒を
すでに記録的な大雨となっている所に、さらに雨の量が増える見通しのため、奄美ではきょう9日(土)夕方にかけて、土砂災害や低い土地の浸水に最大級の警戒が必要。河川の増水や氾濫にも厳重に警戒し、沖縄は今夜遅くにかけて、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重な警戒が必要だ。また、落雷や竜巻などの激しい突風にも注意したい。
土砂災害には前兆現象があるとされている。普段とは異なる崖や斜面から水が湧き出していたり、木々が傾いている、腐った土の臭いがするなどは土砂災害の前触れとなるため、少しでも異変を感じたら安全な場所へ避難したい。外へ出ることが困難な場合は、建物の上の階へ避難するなどの最善の行動を取る必要がある。 (気象予報士・鈴木悠)