富士山麓のダイナミックな食材を味わう“奥・山梨”のガストロノミー〈Restaurant SAI 燊〉。
「奥・山梨料理」をコンセプトにしたレストランが西湖にオープン。世界でも稀有な自然を有する富士北麓だからこそのジビエやキノコ、山菜、ハーブなどの素材を薪火で調理して提供する。 【フォトギャラリーを見る】 標高900m、富士五湖の中でも西湖は山々と青木ヶ原樹海に囲まれた神秘的な魅力がある。レストラン〈Restaurant SAI 燊〉はそんな山深く奥まっていることに由来した「奥・山梨料理」がテーマ。ジビエや山梨の食材に詳しい豊島雅也シェフを迎え、この地域にしかない独自の素材をフランス料理をベースに、イタリアンや和食の技術も取り入れ、新たなジャンルを切り開いていくという。
今まであまり注目されてこなかった山梨の食材だが、富士山を中心としたエリアには個性的な食材が多い。肉はジビエが中心。県内のハンターと提携するだけでなく、シェフやスタッフも狩猟免許を取得し、自らが狩猟に参加。天然の山菜やきのこ、ハーブなどの採集や養蜂で採れた食材も提供する予定だ。料理は8品前後のシェフのお任せコース1種類、海から始まり、平野や川、徐々に山へとつながっていく構成で、食物連鎖をも表現していく。
印象的なのが店内の薪火台だ。ここで調理するシェフの姿に魅力される。豊島雅也シェフはレストラン〈TOYOSHIMA〉で「ゴ・エ・ミヨ」3年連続受賞し、2022年は「ゴ・エ・ミヨ」のテロワール賞を受賞。狩猟、養蜂、農業、キノコや山菜の採集などにも取り組み、自らを「食猟師」と名乗る。 「見た目や香りなど、五感を使って楽しんでほしい。薪火は昔ながらのプリミティブな調理法で、引き算の料理といえるかもしれません。この地に根付いている食材や文化、生活様式を新たな価値として提案していきたいと考えています」(豊島雅也シェフ)
料理に合わせるドリンクはペアリングのみ。日本ワインを中心としたアルコールペアリングのほか、ノンアルコールペアリングも重視。テロワールを感じさせるハーブ、果実、樹液などを使ったオリジナルドリンクを用意する。