【60歳代の夫婦世帯】年金だけで生活できる世帯は約4割…平均貯蓄額は2026万円、中央値は?
全年代の国民年金と厚生年金の平均額
ここでは、前世代の国民年金と厚生年金の平均受給額を見てみましょう。 ●国民年金の平均月額 ・男性の平均月額:5万8798円 ・女性の平均月額:5万4426円 ・全体の平均月額:5万6316円 国民年金は、年齢によって年金受給額が大きく変わることはないようです。 ●厚生年金の平均月額 ・男性の平均月額:16万3875円 ・女性の平均年金月額:10万4878円 ・全体の平均年金月額:14万3973円 国民年金は平均年金月額の男女差はあまりありませんでした。 しかし、厚生年金の平均年金月額は、男性は16万3875円、女性は10万4878円で男女差は大きくなっています。 厚生年金は、加入期間や収入額により受給額が変動します。 そのため、女性は結婚や出産などライフステージの変化により退職し、厚生年金に加入しないため受給額が少なくなると考えられています。 次の章では、65歳以上の生活費の実情を深堀りしていきましょう。
【65歳以上の夫婦世帯】老後に必要な生活費は約4万円不足している
総務省「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯で、年金などの社会保障給付のみの収入では3万7916円不足すると発表されています。 ●65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支 ・実収入合計:24万4580円 ・平均支出:28万2000円 毎月3万7916円の赤字が試算されています。 今後さらに物価高が予想され、老後資金はより赤字になると想定されています。
年金だけでは不足する生活費をおぎなえるよう老後資金の準備を始めよう
今回は、60歳代の夫婦世帯が年金だけで生活する世帯の割合や、平均貯蓄額をお伝えしました。 これから年金額も大きく増加するとは考えにくく、生活費で不足する資金をあらかじめ準備しておく必要があります。 現在の貯蓄額を把握し、私的年金、預貯金、資産運用などで老後資金の備えを始めてみませんか。
参考資料
・日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」 ・厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」 ・金融広告中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和5年」 ・厚生労働年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」 ・総務省「2020年基準消費者物価指数 全国2024年(令和6年6月分)」
円城 美由紀