【2025年NISA戦略】米国株「一人勝ち」終わる!トランプ2.0でインフレ再燃懸念、世界同時株安の引き金に
(中野晴啓:なかのアセットマネジメント社長) 新NISA2年目となる2025年、株や為替はどう動くのでしょうか。私は、リーマンショック以降続いてきた「適温相場」がいよいよ終わると考えています。世界の金融市場は緩和マネーに支えられて上昇基調を保ってきました。しかし、2025年はこの構造が大きく変わる可能性があります。 【写真】トランプ2.0は世界同時株安の引き金を引くか それに伴い、相場は大きく荒れるかもしれません。昨年、新NISAを始めた資産運用初心者にとっては、本当の意味で試練の年になるかもしれません。 順を追って説明しましょう。 まずはその前に、2024年を簡単に振り返っておきます。
■ 2024年は「いい年」だった 米国経済の底堅さと円安によって、2024年は多くの投資初心者にとって「いい年」になりました。「いやいや、夏の暴落で大損した」という声も聞こえてきそうですが、終わってみれば日米ともに株式相場は非常に心地よく上昇し、しかも個人投資家の多くは円安の恩恵を受けました。 米国のS&P500種株価指数は2024年に約23%も上昇し、ドル円相場は年初の141円台から156円台へと円安に振れています。 為替は7月に161円台まで円安が進んだのち7月末の日銀の利上げを受けて一気に年初の水準まで円高に戻りましたが、12月の米連邦準備理事会(FRB)の利下げによる緩和打ち止め感台頭と日銀の利上げ見送りを受けて再び円安が進んでいます。S&Pの上昇と円安のダブル効果で、資産を大きく膨らませた方も少なくないでしょう。 一方、日本株は日経平均株価が7月に4万2000円を超える過去最高値を更新したのち、8月に過去最大の下落幅となる「暴落」が起きましたが。しかし、私の師である澤上篤人さんが警告していたような「大暴落」は起きず、日経平均は2024年に約19%上昇しました。 グローバルで見れば米国株の上昇が際立ち、「米国一人勝ち」とも言える状況でした。