オーストラリアで働く21歳男性が経験した“地獄のバイト”。現在は掃除の仕事で月収約30万円に
なぜか終わらないトライアル期間
1週間が経過し、次第にカフェの環境に慣れ始めた頃、「いつ正式に雇ってくれるのか?」と聞いたというククさん。するとオーナーから思いもよらぬ逆質問を受けたそうだ。 「『お前はこのカフェの仕事の何%を把握してる?』と聞かれたんです。飲食経験ゼロだったのでなんて答えるのが正解なのか分からず、ちょっと迷ってから『70%くらい』と答えた。すると、『じゃあ今週もトライアルだ』と告げられ、なぜかトライアル期間が延長されました」 違法労働が税務署にバレることを防ぐため、給料は彼のみ手渡し。 その当時から多少疑心暗鬼になり始めてはいたものの、常に優しい言葉をかけてくれるオーナーに強く歯向かう事が出来なかったククさんは、そういったオーナーの些細な親切心に励まされながら頑張り続けたという。
1か月半経つとオーナーの態度が豹変
しかし、1か月半が経過しても時給は未だにトライアル賃金のまま。いよいよ彼がオーナーに反論しようとした矢先、状況は一変した。新たに日本人女性が面接に来たことがきっかけだった。 彼女を採用する話が持ち上がってから、ククさんへのオーナーの態度は激変。指示が急激に増え、当たりも強くなったという。 「仕事中に従業員の女の子たちが話していたので、自分も加わろうとしたらオーナーが『お前はあれをやれ、これをやれ』と自分にばかり指示を出してきて。 自分はキッチンで働いていたのですが、挙げ句の果てにはなぜかバリスタがやるはずの〆作業まで押し付けられました。本来であれば2人で行うべき作業を1人でやらされて、時間内に出来ないと怒られるんです」 一度は言い返してみたものの、「前にいたブラジル人スタッフは何を頼んでも文句一つ言わなかった!」と怒鳴られる始末。彼の心身は次第に限界に近づき、眩暈の頻度も増えていった。 「眩暈なんてこっちに来て初めての症状だったので、一度医者に行ったのですが、特に問題はないと言われて睡眠安定剤を処方されただけでした。 恐らくストレスからきていたんでしょうね。今考えると『やっとの思いで見つけた職だから簡単には辞められない!』という思いが余計に自分を追い込んでいたんだと思います」