地域課題を「UXデザイン」視点で解く 一関高専でTDCソフトが授業
TDCソフトが、国立高専の一関工業高等専門学校(岩手県一関市)において、同社が開発する「UXデザインスターターキット」を活用した授業を実施したことを発表した。学生たちはUXデザインの手法を使って、地域課題の発見やその根本原因の解明、解決策の提案に取り組んでいく。 【もっと写真を見る】
TDCソフトは2024年11月29日、国立高専の一関工業高等専門学校(岩手県一関市)において、同社が開発する「UXデザインスターターキット」を活用した授業を実施したことを発表した。学生たちはUXデザインの手法を使って、地域課題の発見やその根本原因の解明、解決策の提案に取り組んでいく。 SIerであるTDCソフトは2019年から、顧客企業のUXデザイン支援やUX人材教育などに取り組んでいる。同社のCX&UXデザイン推進部では、「すべての人にとってデザインを次のあたりまえに」をミッションに掲げ、社会人に限らず小学生から高専生、大学生への授業も実施してきた。 同社が開発するUXデザインスターターキットは、非デザイナーでもUXデザインの一連のプロセスを実践できる9種類の「ワークシート」と、デザインする人自身で最終的なアウトプットの質がチェックできる「チェックシート」により構成されている。 今回の一関高専の授業は、専攻科コースの専門科目である「シビックテック特論」のカリキュラムとして今年度から取り入れられた。“ユーザー体験(UX)を軸に考え、デザインする”UXデザインの基礎や、ペルソナ設定やユーザーインタビューといった具体的手法を学び、授業の目的である「地域社会の課題解決に向けたソリューションの開発」につなげていく。 今後学生たちは、授業での学びを生かしながら、地域の課題解決に向けた作品コンテスト「アーバンデータチャレンジ(URC)」へのエントリーを目指す。 同専攻科の担当教授である一関高専の千田栄幸氏は、「学生たちはUXデザインの基礎を習得し、ユーザー視点で課題解決に取り組む重要性に深く気付きを得ています。特に、ペルソナ設定やユーザーインタビューを通して、潜在的なニーズを捉える手法を学ぶことができたのは大きな成果だと思います」とコメント。今後もTDCソフトとの連携を継続して、地域社会に貢献できる人材育成に務めたいと述べている。 文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp