永明の返還後「パンダパパの跡継ぎ」 求め和歌山県知事が訪中。気になる 中国側の反応、母娘パンダの今後
「永明(えいめい)パパの跡継ぎにぜひ和歌山県に来てほしい、という県民の熱い希望を伝えさせていただきました」 【画像】竹を選ぶシャオシャオを見る 中国を訪問した和歌山県の岸本周平知事は、7月30日(火)の定例会見でこう語りました。永明はアドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)にいたオスのジャイアントパンダ。同パークで生まれ育った17頭のパンダのうち、16頭の父親です。永明が昨年、約28年半ぶりに中国へ戻ったので、同パークにはオスのパンダがいなくなり、繁殖できなくなりました。そのため「跡継ぎ」が望まれているのです。 岸本知事は7月21日(日)~26日(金)に山東省、四川省、北京市を訪問。7月24日(水)午前10時~午後1時は、四川省にある成都ジャイアントパンダ繁育研究基地(以下、成都基地)に滞在して、成都基地のトップである尹 志東(いん・しとう)主任と意見交換しました。 会談には、アドベンチャーワールドを運営するアワーズ(本社:大阪府松原市)の山本雅史社長らが同席。中央政府でパンダを管轄している国家林業草原局 国際合作司の吴 青(ご・せい)副処長と中国動物園協会の鄭 広大(てい・こうだい)会長も北京から来て同席しました。
日中の政府間交渉が必要
尹主任は、アドベンチャーワールドにおけるパンダの飼育・繁殖技術の高さを評価しつつも、「永明パパの跡継ぎを」との要望に対し、「受け止めました」という回答にとどめました。 岸本知事は「和歌山県やアドベンチャーワールドと成都基地の合意で進む話ではなく、日本政府と中国政府の間で交渉いただくような大変大きな外交案件との印象を持ちました」と7月30日(火)の会見で報告。「今回の成都基地への訪問は、パンダパパの跡継ぎにお越しいただくためのキックオフだったと考えています」と話しました。 今後は「日本政府の要路にも働きかけて、県民の皆様のお力を借りながら、着実に粘り強く、跡継ぎをお呼びする努力をしていきたい」(岸本知事)方針で、県選出の国会議員を通じ、場合によっては岸本知事の外務省とのパイプも使いながら、外交関係者に働きかけていく考えとのことです。(取材した7月下旬時点) なお、同じくパンダがいる施設でも、都立施設の上野動物園と違い、アドベンチャーワールドは、前述の通りアワーズが運営する民間施設なので、パンダ誘致において和歌山県は直接の窓口にはなりません。