マイホームを売りたいのですが、税金面で優遇されるって本当ですか? できるだけ税金の負担を抑えたいので、適用要件や申請方法を教えてください
不動産の譲渡には、5年以内の譲渡か5年を超過してからの譲渡かによって譲渡所得の税率が大きく変わることが注意点です。ただし、不動産の譲渡でも自分が住んでいる家(マイホーム)は居住用財産として税制の優遇措置が受けられます。ここでは「居住用財産の3000万円の特別控除」と「居住用財産の軽減税率の特例」の2つを見ていきたいと思います。 ▼がんの発覚で「住宅ローン」がチャラに!? その驚きの理由を解説
居住用財産の3000万円の特別控除
居住用財産を譲渡した場合で、譲渡益が生じた場合、譲渡所得の金額から最高3000万円を控除できます。譲渡益が3000万円以下なら課税されません。 計算式は、「課税譲渡所得金額=譲渡価格-(取得費+譲渡費用)-3000万円」です。 <ポイント> ・譲渡した居住用財産の所有期間が短期でも長期でも利用できます。 ・住宅を共有している場合は、それぞれがこの特例の適用を受けられます。 ※夫婦で共有している場合は、合計6000万円の控除を受けられます。 ・後で説明する「居住用財産の軽減税率の特例」と重複して適用できます。 <適用要件> (1) マイホーム(自分が住んでいる家屋)を売却するか、その敷地・借地権をマイホームとともに売ること。ただし、かつて暮らしていた家や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日が属している年の12月31日までに売却すること (2) 売却した年の前年と前々年において、この特例(※)またはマイホームの譲渡損失についての損益通算を受けていないこと。および、繰越控除の特例の適用を受けていないこと (※)「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によって、この特例の適用を受けているケースを除く (3) 売却した年・その前年・前々年に、マイホームの買い換えやマイホームの交換の特例を受けていないこと。つまり、この特例は3年に1回しか受けられません (4) 売却したマイホームや敷地等において、収用等の場合の特別控除など、その他の特例を受けていないこと (5) 災害により滅失したマイホームのケースでは、その敷地に住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること (6) 売手と買手との関係が、夫婦や親子など特別な関係でないこと (出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」) <申告方法> この特例の適用を受けるためには、一定の書類をそろえて確定申告をすることが必要です。 確定申告書に「譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)[土地・建物用] 」を添えて提出してください。 また、控除後の課税譲渡所得が0円となる場合でも確定申告が必要ですので、忘れないようにしましょう。