【日独高級ミニバン対決】王者トヨタ アルファードはメルセデス・ベンツVクラスに勝てるのか!?
2024年10月に発売されたメルセデス・ベンツ Vクラスは内外装デザインを刷新し、使い勝手も大きく引き上げられて登場した。それに相応しいライバルと言えば、高級ミニバンとして名高いトヨタ アルファードが筆頭に上がる。日本とドイツを代表するミニバンのスペックを比較してみよう。 TOYOTA ALPHARD × MERCEDES-BENZ V-CLASS 車内の開放感はVクラスの勝ち! 使い勝手に優れるのはアルファード ボディサイズを比較すると全長はアルファードのほうが長く、全幅はVクラスの方が広い。両車には7人全員が快適に過ごせる室内空間が備わっているが、グラスエリアの広さに加えシンプルな内装も相まって開放感の高さではVクラスのほうが上だ。 舵角が大きく取れる後輪駆動車のVクラスは最小回転半径がアルファードよりも0.3m小さい5.6mとなる点も見逃せない。ただし、Vクラスは細かな使い勝手の悪さが目に付く。 スマートキーはスイッチ操作をしなければドアロックが解除されず、選ぶグレードによっては3列目シートへの乗り込む際に重い2列目シートを人力で動かす必要があるなど、Vクラスに国産ミニバンのような使いやすさを期待すると肩透かしを食らうかもしれない。 トヨタ アルファード ハイブリッドZ ボディサイズ:全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mm ホイールベース:3000mm 車両重量:2160kg タイヤサイズ:225/60R18(前後) メルセデス・ベンツ V220d ボディサイズ:全長4895mm×全幅1930mm×全高1880mm ホイールベース:3200mm 車両重量:2380kg タイヤサイズ:245/45R18(前後) ミニバンに最適なパワートレインはディーゼル?それともハイブリッド? パワートレインのスペックとしては、低回転から強大なトルクを発揮するディーゼルエンジンを多段ATで効率よく走らせるVクラスのほうが有利と言えそうだが、アルファードのハイブリッドモデルよりも遥かに重い車重のせいもあって特別優れた加速性能とは言えない。 動力性能に関しては、両車ともに過不足ないレベルでまとまっており優劣はつけがたいところだ。しかし、静粛性と燃費性能はアルファードのハイブリッドモデルが圧倒的に優れる。 アルファードのWLTCモード平均燃費17.7km/L(ハイブッドZ)に対して、Vクラスは13.0km/L(V220d)となり、ディーゼルエンジンの安い燃料単価を加味しても燃料代がかからないのはアルファードのほうだ。 加えてVクラスは後輪駆動のみの設定であり、降雪地域での使用には4WDが設定されるアルファードに分がある。 トヨタ アルファード ハイブリッドZ エンジン形式:直列4気筒ガソリンエンジン+モーター 排気量:2487c 最高出力:190ps/6000rpm 最大トルク:236Nm/4300-4500rpm トランスミッション:電気式CVT 駆動方式:2WD(FF) メルセデス・ベンツ V220d エンジン形式:直列4気筒ディーゼルターボエンジン 排気量:1949cc 最高出力:163ps/3800-4400rpm 最大トルク:380Nm/1600-2400rpm トランスミッション:9速AT 駆動方式:2WD(FR) Vクラスにミニバンとしての使い勝手を求めると後悔するかも エントリーグレード同士の価格を比較するとVクラスのほうが320万円も高い。この価格はアルファードの最上級グレードであるエグゼクティブラウンジよりも高額だ。 さらにVクラスには、全長5140mmのロングボディと、全長5370mmのエクストラロングボディも用意され、最上級グレード「エクストラロング ブラックスイート」ともなると、レクサス LMに比肩する1370万円もの価格になる。 それにもかかわらず、Vクラスには国産ミニバンと比べて不便な点が多々ある。たしかにVクラスは高級車らしい快適性や重厚感が備わるクルマだが、単なる高級なミニバンとして購入すると後悔しかねない。 Vクラスはあくまで商用バンベースの高級車であり、国産ミニバンとはやや用途が異なる。日常的に利用するクルマとして購入するならアルファードのほうがおすすめだ。 車両本体価格 トヨタ アルファード ハイブリッドZ:620万円 メルセデス・ベンツ V220d:940万円
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