「責任者の死亡により作業指示が大変に遅れ」 いなば食品「怪文書発表」がマズいこれだけの理由
缶詰などで知られる食品メーカー「いなば食品」で、新入社員の大量辞退があったとの「文春砲」が出た。それにとどまらず、企業側の反応がずさんではないか、との指摘がSNS上などで相次いでいる。 【写真で見る】話題となった「ボロ家」の様子 筆者はネットメディア編集者として、これまで企業のプレスリリースや、「炎上」を受けての謝罪文を読んできた。その経験からすると、少し眺めただけでも「よく掲載に至ったな」と驚くような内容だった。 以下、複雑になってしまっている経緯を、わかりやすく紹介しながら、解説していこう。
■いなば食品の「ボロ家」報道 いなば食品の騒動は、2024年4月10日に「週刊文春 電子版」が報じ、翌日発売の雑誌紙面にも掲載された。 【画像】ボロ家と報じられたいなば食品の「一般職」向け新人社員寮…の様子を見る(3枚) そこでは「新卒の辞退者が9割に達している」との関係者談が紹介され、実際に入社辞退したという人物が、給与体系の不明瞭さや、静岡市清水区由比にある「社宅」の様子を明かしている。 文春記事では、新入社員は「ボロ家」での共同生活を命じられたなどと伝え、いなば食品は質問状に対して「事実確認を実施している」と回答したと報じている。週刊文春 電子版は13日に続報として、「ボロ家」内部で撮影された写真や動画も届けている。
いなば食品は、テレビCMで「ライトツナ」などの魚介系缶詰商品で知られ、傘下のいなばペットフードが販売する「CIAO(チャオ)ちゅ~る」は、ネコたちの反応が良すぎるなどと、絶大な人気を誇る。 この3月には、大谷翔平人気にわく大リーグ・ドジャースと公式スポンサー契約を結び、スタジアムに「Churu(ちゅ~る)」の広告表示がされるように。いまや世界規模で展開するメーカーと言える。 そんな有名メーカーに出た「ボロ家」報道だが、従業員の待遇以上に、ネットユーザーを驚かせたのが、反応したプレスリリースだ。4月12日に「一部報道について」を発表した後、同日中に「由比のボロ家報道について」なるタイトルの文章も出された。この文章について、SNS上では「もはや怪文書の域だ」と評されているのだ。