2024年はメタバースが来る! “メタバース”の可能性をアダストリア、三越伊勢丹の責任者が本音で対談
仲田氏:当社もメタバース事業のルーツをお話しすると、もともとは、社内起業制度を利用して私が起案しました。「REV WORLDS」がリリースからまだ3年ほどしか経っていないこともあって、会社のなかでは新規事業としての位置付けです。私が指揮をとるチームが、まず「次はこういうものをやりたい」という方向性を経営側に提案する形で事業を進めています。
――収益化の将来像を教えてください。 仲田氏:メタバース事業は、10年、15年ぐらいをスパンとして、じっくり取り組んでいきたいと考えています。短期、短距離走の勝負でゴールに近づくような事業ではないと思っています。逆に、長くしっかり続けられるようにやっていきたい。 たとえば「2年後にメタバース市場でナンバーワンシェアを獲得する」といった爆発的なスピード感ではありません。収益化の新たな柱となり得る芽として、メタバース事業を会社全体で温めているようなイメージです。
今後は、「REV WORLDS」における有償アイテムや有償サービスのラインアップを図る予定です。それらを収益源の軸にしていきたいと考えています。また、業種や業態を問わず、さまざまな事業者の皆さんとの協業も前向きに検討していきたいです。
島田氏:当社は、ファッションアバターの拡大に向けた3つのフェーズで進めています。自分たちのブランドをバーチャルの世界でカタチにする「モノ売り」のフェーズ。エンゲージメントを高め、体験を提供する「コト売り」のフェーズ。自社が培ったノウハウをもとに、事業者との協業やメタバース関連サービスの連携を行う「カチ(価値)売り」のフェーズです。 2023年、アダストリアは第2フェーズの「コト売り」を拡大するべく、メタバースにおける“体験の場”をつくることに力を入れてきました。今後は、この「コト売り」、さらには「カチ売り」のフェーズへの移行をめざしていきます。「カチ売り」では、消費者(toC)だけにとどまらず、事業者(toB)からの収益獲得も視野に入れています。