2024年はメタバースが来る! “メタバース”の可能性をアダストリア、三越伊勢丹の責任者が本音で対談
対して、三越伊勢丹のメタバース市場における取り組みや狙いを見てみよう。三越伊勢丹は、新宿をコンセプトにした仮想都市コミュニケーションプラットフォームのスマートフォン向けアプリ「REV WORLDS」を2021年3月にリリース。新宿東口の街の一部エリアと、伊勢丹新宿本店――すなわち、“仮想伊勢丹新宿店”などが再現された仮想都市を再現している。
仲田氏は、「REV WORLDS」の発起人。社内起業制度を活用して事業を立ち上げ、現在に至る。 「REV WORLDS」にログインしたユーザーは、“仮想伊勢丹新宿店”の店舗のなかも自由に見て回ることができる。化粧品や雑貨、食品、婦人服などの幅広い品ぞろえのなかから、実際に買い物を楽しむことも可能だ。アプリ上で商品をクリックすることで、「三越伊勢丹オンラインストア」などへ遷移し、実際の商品を購入できる。 メタバース上でも「人とのつながり」を感じられるような買い物体験を提供している三越伊勢丹。「REV WORLDS」では、アバターの着せ替えや、チャット機能を使ってほかのユーザーと会話することもできるという。 そんな三越伊勢丹がメタバース事業に取り組む狙いは次の通り。 □ 三越伊勢丹:メタバース事業に取り組む狙い
1. 新しい体験価値の提供 2. 新しい収益・ビジネスの可能性 3. 新しい顧客接点の創出 4. 24時間いつでも、どこでも顧客が買い物を楽しめる環境を提供する
┌────────── 百貨店でひんぱんに買い物をしている人はそれほど多くありません。たとえば「デパートで買い物を最後にしたのはいつですか」と質問されたとき、「半年前」と答える人も多いと思います。ひるがえって、百貨店側からすると、お客さまとの接点づくりはとても大切になる。その点において、メタバース領域が役割の一つを担っています。
このほか、三越伊勢丹が掲げる考え方の一つに、「ライフスタイルを豊かにするためのお手伝い」というものがあります。リアルはもちろんのこと、バーチャルでも、豊かにするためのお手伝いはできるのです。(三越伊勢丹 仲田氏)