2024年はメタバースが来る! “メタバース”の可能性をアダストリア、三越伊勢丹の責任者が本音で対談
└────────── 「顧客接点の創出」「付加価値の提供」など、メタバース事業の狙いには両社で共通点が多いことがわかった。次に、アダストリアの島田氏と三越伊勢丹の仲田氏による対談から、両社が考えるメタバースの可能性や、収益化の考え方などを解説していく。
両社のメタバースをけん引する島田氏、仲田氏が語る市場展望
■ メタバースならではの“挑戦しやすさ”とは? ――メタバース領域に魅力を感じていながらも、実際の事業挑戦は「まだまだ敷居が高い」と感じている事業者が多いと思います。両社が考える、メタバース事業ならではの可能性を教えてください。 アダストリア 島田氏(以下「島田氏」):すべての挑戦がメタバースでできることだと思います。私のようなアパレル事業者の例で具体的にいうと、自分で洋服をデザインして、それを工場で生産して、流通に乗せて、ECや店舗で販売する。これをリアルで実現しようとすると、とても大変なことです。しかしメタバースの世界だと、たくさんの個人のクリエイターが自分でデザインしたメタバースの洋服を販売していて、とても人気になっているクリエイターもいます。さらに、メタバースだと世界中のユーザーが購入してくれますが、リアルで世界に出て販売、届けようとするととても大変なことです。
三越伊勢丹 仲田氏(以下「仲田氏」):バーチャルならではの有利性は島田さんのお考えに賛成です。あげられた可能性から、販売活動のしやすさはバーチャルのほうが有利と言えるかもしれません。その意味では、新たな事業領域としてメタバースを選ぶのはお勧めです。事業者にとって挑戦しやすいと言えるでしょう。
■ メタバースをどう収益化する? ――収益化の観点ではいかがでしょうか。まずは現状を教えてください。
島田氏:多くのユーザーに支えられメタバース事業は黒字化できています。「ドットエスティ」は2022年7月にメタバースファッション領域に参入しました。当社が掲げる成長戦略のなかに「デジタルの顧客接点、サービス」というものがありまして、メタバースはその1つの挑戦でもあります。