ジープ「ラングラー」の廉価グレードが復活! 選んで大丈夫? 試乗で確認
ステランティスジャパンはジープ「ラングラー」のマイナーチェンジモデルを発売した。改良点はいくつもあるが、注目はこのタイミングで日本市場に復活したエントリーグレード「アンリミテッドスポーツ」の仕上がり具合だ。選ぶ意義はあるのか、試乗して考えた。 【写真】「ラングラー」の後ろ姿。ボディサイズは全長4,870mm、全幅1,895mm(ルビコンは1,930mm)、全高1,845mm(ルビコンは1,855mm)、ホイールベースは3,010mm。写真のボディカラーは「グラナイトクリスタルメタリック」
■ラングラーはジープの基本 ジープ(Jeep)の基本といえる車種がラングラーだ。現行モデルは2018年にフルモデルチェンジして、今年で6年が経つ。2024年5月に日本で発売となった新型はマイナーチェンジモデルだ。 改良点は①アンテナがフロントウィンドウに内蔵されたこと、②ジープの特徴であるフロントグリル(縦長の穴が7つ横に並ぶ)の装飾が新しくなったこと、③ホイールデザインの変更、④サイドカーテンエアバッグの全グレード標準装備、⑤インフォテインメントを第5世代の「Uconnect5」に刷新、⑥12.3インチタッチスクリーンを全グレードに標準装備、⑦Apple CarPlay(ワイヤレス接続可)およびAndroid Autoに対応などである。 マイナーチェンジのタイミングで、最も廉価な車種(エントリーグレード)の「アンリミテッドスポーツ」(Unlimited Sport)が日本市場で復活したことも大きな注目点だ。
今回はアンリミテッドスポーツに試乗し、ラングラーの素の実力を改めて探ってきた。 ■ラングラーの原点とは? ラングラーの原点となるのは、第二次世界大戦中に米国陸軍が自動車メーカーに開発を依頼した小型の4輪駆動車である。戦後は市販車となり、その後継として1987年にラングラーが誕生する。戦後の日本では、三菱自動車工業がジープと同じ部品を組み立てる「ノックダウン方式」により国内生産を行ってきた。その4輪駆動技術をいかして三菱自動車が開発したのが「パジェロ」だ。トヨタ自動車の「ランドクルーザー」も、当初はジープを手本に学んだとされる。 海外では、ジープのように悪路走破性能の高いクルマを目指し、さまざまなメーカーが同じような4輪駆動車を開発した。メルセデス・ベンツ「ゲレンデヴァーゲン」(現在のGクラス)やランドローバー「ディフェンダー」などだ。 ラングラーはSUVの中でも、悪路走破性を特徴とする4輪駆動車の祖の流れを汲む由緒正しいクルマだといえる。エントリーグレードのアンリミテッドスポーツは、原点のよさを存分に味わえる1台だ。