Jリーグ 広島・佐藤寿人が隠れた大記録を継続
激しい接触も文句ひとつ言わない
J1連覇への天王山となった19日の横浜F・マリノス戦。こぼれ球を競り合ったDF中澤佑二の足が頭をかすめ、ダイビングヘッドの刹那にDF栗原勇蔵と激しく接触しても、佐藤は文句ひとつ言わない。 ニアサイドへのクロスに頭から飛び込み、GK榎本哲也と交錯した後半8分の惜しいプレーの直後にはすぐに起き上がり、苦悶の表情を浮かべる相手の守護神の元へ駆け寄っている。 試合は0対1で敗れ、首位の座をマリノスに明け渡した。敗因は自分たちの力が足りなかったから。もっともっと成長して、昨日までの自分たちを追い越すしかない。佐藤は胸を張り、潔く現実を受け入れている。
カズ、ゴンに少しでも近づきたい
熱く、激しく、そして貪欲なまでに勝利につながるゴールを追い求め、まだまだ上手くなれるという向上心を抱き続け、永遠のサッカー少年のような純粋な心も忘れない。 「カズさんやゴンさんまでのスターになることは難しいけど、少しでも2人のレベルに近づきたい」 屈託なく笑う佐藤の背中が放つ輝きは、これからも実践し続けていく崇高なフェアプレー精神を触媒として、かつて自身を魅了した偉大なる2人の領域に限りなく近づいている。 (文責・藤江直人/論スポ、アスリートジャーナル)