「いつかこの場所でも大地震が…」地震に脅かされた1年を振り返る 宮崎県内では108回以上の地震が発生「南海トラフ地震臨時情報」初発表で防災意識が高まった年だった
「巨大地震注意」初めての発表
気象庁は、南海トラフ地震の想定震源域で起きた「一部割れ」の地震と判断。南海トラフ地震臨時情報を初めて発表し、巨大地震への注意を呼びかけた。 南海トラフ評価検討会 平田直会長: 南海トラフで巨大地震が起きる可能性がある想定震源域の中で大きな地震が発生した。 南海トラフ地震臨時情報が発表されたのは、運用開始以来初めて。臨時情報とはどんな意味を持つのか、周知が十分ではなかったこともあり、混乱と不安が広がった。
防災グッズは品切れ続出
地震から一夜明けると、宮崎市のホームセンターでは防災グッズの品切れが続出していた。 店には通常の倍以上の客が来店。特に家具の転倒を防ぐための耐震ポールや災害時の必需品が入った防災バッグ、簡易トイレなどが求められた。在庫が全部なくなって、倉庫から持ってきて一旦補充はしたもののそれも全部売れて、品切れ状態になってしまったという。
ホテルや観光地は大打撃
地震が発生したのは8月8日。臨時情報を受けて、気象庁は、1週間程度は巨大地震への備えを確認するよう呼び掛けた。夏休み、それもお盆期間の真っ最中の発表に、ホテルや観光地には大打撃となった。 宮崎市青島のANAホリデイ・インリゾート宮崎。海沿いにあり、津波避難ビルに指定されているこのホテルでは、地震発生直後、全てのエレベーターが停止。スタッフが宿泊客などを階段を使って3階以上のフロアに誘導した。地震発生から数日で600室のキャンセルが出たという。 県ホテル旅館生活衛生同業組合によると、宮崎県内の宿泊施設では、発生から1週間余りで約2万4000人が予約をキャンセルした。 ANAホリデイ・インリゾート宮崎 担当者: 夏休みのお盆期間の真っ最中で、1年で一番多くのお客様にお越しいただく時期。大きな痛手になっている。 この地震によるけが人は、重傷が2人、軽傷が8人のあわせて10人。住宅被害は76棟に上った。 京都大学防災研究所宮崎観測所 山下裕亮助教: 今回地震が起こったからしばらく大丈夫ということはない。数十年に1回、M7級の地震が起こってきている領域なので、日向灘では常にこういった地震が起こると、改めて認識をもっていただくきっかけにしてほしい。 気象庁の震度データベースによると、県内では 2024年1月から12月14日までに、震度1以上の地震が108回発生している。地震の脅威と隣り合わせで暮らしていることを改めて思い知らされた1年だった。 (テレビ宮崎)
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