「いつかこの場所でも大地震が…」地震に脅かされた1年を振り返る 宮崎県内では108回以上の地震が発生「南海トラフ地震臨時情報」初発表で防災意識が高まった年だった
いつか宮崎でも…懸念は現実に
「いつか宮崎でも大きな地震が起きる」日向灘地震や南海トラフ地震で大きな被害が想定されている宮崎でも、その懸念が現実となった。能登地震の発生から7カ月余りがたった8月8日午後4時42分。大きな揺れに見舞われた。 震源は日向灘。震源の深さは30キロ、地震の規模を示すマグニチュードは7.1。この地震で、日南市で震度6弱、宮崎市・都城市・串間市で震度5強の揺れを観測。県内の沿岸部には津波注意報が発表された。 夏休みの真っ最中、多くの家族連れでにぎわう宮崎市フェニックス自然動物園は、海岸に近い場所にある。スタッフは来場者を誘導し、園内で最も高い場所に避難を促した。 震度6弱を観測した日南市の酒店では、揺れによって棚の酒類が落下し、床に散乱していた。 店主: いやもう、見ての通り。縦揺れだった。2,3日で片付けばよい所ではないか… 日南市の住宅。2階にのぼると、地震の揺れで仏壇やタンスが倒れていた。この家に住む女性がいつも寝ているという場所を直撃しており、「もし、夜、地震があったら私は死んでいた」と、恐怖を語った。 この地震により、宮崎県の沿岸部には津波注意報が発表され、宮崎港で50cm、日南市油津で40cm、日向市細島で20cmの津波が観測された。視聴者から寄せられた宮崎市青島の映像では、川を遡上する津波の様子が撮影されていた。
防災学習中の高校生が地震に遭う
宮崎市青島では、五ヶ瀬中等教育学校と日南高校の生徒たちが防災のフィールドワークをしていた。生徒たちは活動が一段落し、ホテルに戻った時に地震が発生。避難を呼びかけるアナウンスが流れ始める中、生徒たちも避難した。土地勘のない場所での津波注意報に、戸惑いが広がっていた。 五ヶ瀬中等教育学校の高校1年生: 急すぎて、頭の整理も追いつかなくて、死んじゃうかもしれないと思った。 この日の午前中、生徒たちはスマホアプリ「逃げトレ」を活用した津波避難の訓練を行っていた。訓練が生きたのか、約5分で避難場所の高台に到着したという。