石川祐希、高橋藍は実質確定?バレー五輪代表アウトサイドヒッターの座を巡る激しい競争
パリオリンピックで1972年ミュンヘン大会以来のメダル獲得の期待が高まっているバレーボール男子日本代表。4月中旬から国内やオランダで長期合宿を実施し、5月21日からは約1カ月半に渡って行われる国際大会・ネーションズリーグ(VNL)に突入している。日本代表にとって五輪前最後の実戦の場となっていて、ブラジル、日本、フィリピンと転戦しながら試合をこなしている最中だ。VNL第1週のブラジル・リオデジャネイロでの4試合は強豪セルビアに勝つなど3勝1敗で終えている。VNL第2週は日本の福岡・北九州で本日6月4日のイラン戦から4戦行う。そして、最後の第3週はフィリピン・マニラで4試合こなし、成績次第でポーランドでの準々決勝に進む。 このネーションズリーグは日本代表にとって実戦の場であるのと同時に、7月26日に開幕する五輪本番に向けたチームの調整の場であり、そして、選手選考の最後の場でもある。選手たちは、パリ五輪代表12名(補欠枠1名)という限られた枠に入るべく、VNLでアピールしている。各ポジションでハイレベルな競争となっていて、中でも一番熾烈なのがチームで攻守両輪において大きな役割を持つアウトサイドヒッター(OH)だ。
会見で興味深かったブラン監督の発言
OHは日本代表の主将で今やワールドクラスの選手である石川祐希、さらには前回の東京五輪で19歳にしてメンバー入りし、今や日本代表に欠かせない存在となっている高橋藍の2人がつとめている、攻守において一番重要なポジションである。日本代表のフィリップ・ブラン監督は5月7日の会見で、直前まであったイタリアリーグで試合をこなした石川と高橋藍について、VNL第1週を休養させ別メニューで調整することを明かしていた。2人が5月31日から代表チームに合流して「福岡とマニラで開催のVNLの最後の1週に参加します」と話していた。 つまり、この発言からも2人に関しては万が一ケガでもしない限り、ブラン監督はパリ五輪の代表に選ぶとも捉えられた。東京オリンピックでは12名の代表メンバーの内、OHの選手は4名だった。今回も基本的には4名と思われる。また、ブラン監督は会見に登壇した16名の選手が五輪に向けた「ベースのメンバー」とも話していた。16名の中でOHをこなす選手は、石川、高橋藍、富田将馬、高梨健太、大塚達宣、甲斐優斗の6名。石川、高橋藍を除いたOH2枠を、残り4選手が目指す形となっている。いずれの選手もハイレベルな能力を持つ。OHの選手たちはこの残り2枠に向けて、どんな思いを持っているのか、会見時に聞き回った