父が「退職金をもらったら、すぐ新NISAに預ける」と言っています。2000万円も投資すれば、結構増えますか?
「退職金をもらったら、NISA口座で資産運用をしよう」とお考えの方も、いらっしゃるのではないでしょうか。NISA口座で得た利益は非課税になるため、この制度を活用しようと思われることは、自然な流れだと思います。 本記事では、退職金2000万円をNISA口座で運用しようと考えている方を想定して、利益のシミュレーションと、退職金をNISA口座で運用するときの注意点について解説します。近い将来、退職金を受け取る予定の方の参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
NISAには年間投資枠や非課税保有限度額がある
NISAには、「年間投資枠」が設定されています。年間投資枠とは、1年間で投資できる限度額のことです。NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、それぞれの年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。 つみたて投資枠と成長投資枠は併用できますが、それでも合計の年間投資枠の上限は360万円です。 したがって、1年目に投資できるのは360万円までとなり、2年目も360万円まで、3年目も360万円までとなります。つまり、退職金2000万円を受け取って、すぐNISA口座に預けたとしても、初年に2000万円全額を運用することはできないということです。 また、NISAには非課税保有限度額が設定されており、投資できるのは総枠(つみたて投資枠と成長投資枠の合計額)で1800万円まで(このうち、成長投資枠で投資できるのは1200万円まで)です。つまり、退職金2000万円のうち、総枠の1800万円を超える200万円については、NISA口座で運用することができません。 退職金2000万円をNISAに預けるとした場合、この年間投資枠と非課税保有限度額をどう使うかを検討する必要があります。例えば、「つみたて投資枠と成長投資枠を利用して、毎年360万円ずつ、5年間かけて1800万円を投資する」というプランもあれば、「つみたて投資枠のみを利用して、毎年120万円ずつ、15年間かけて1800万円を投資する」というプランもあります。 どのようなプランにするのか、また、どのような商品で運用するのかは、投資する方の投資の目的やリスク許容度によって異なります。