2軍落ち斉藤佑に復活の芽はあるか
ただ、一方で、その課題の方も山積みだ。 そのひとつが、ピッチングフォーム。先発復帰してから、ステップ幅を短く、フォームのタメをあえて小さくして、相手バッターのタイミングを外す。阪神の岩田のようなスタイルにマイナーチェンジさせているが、池田氏はそのフォームに問題が潜んでいると見ている。 「下半身に硬さを感じる。投球後、一塁側へいつも体が流れてしまう。トレーニングで股関節や肩甲骨などの可動域を広げれば、フォームも変わってくると思う。もっとマウンドの傾斜をうまく使って、左足のステップが着地するまでの動いている時間を長く作りたい。今のようにステップ幅が小さく、左足の着地からボールをリリースする時間が短くて、間がなければ、バッターが慣れてくると逆にタイミングを合わせやすくなる。ただ、体自体は強いんだし、まだまだ成長できる可能性は残されていると思う」 斎藤は、試合後、「本当に紙一重。6回に点が入ってなければ、こんな大差のつくゲームになっていなかったと思う。変化球でカウントを取れるようになっているので方向性は見えている」と、悔しさの中にも、手ごたえを感じとっていた。 おそらくそれは、縦に動かす変化球主体のピッチングという新境地に、復活の出口を見出しているものだろう。池田氏が言うように、フォーシームは140キロ以上をマークしていて、腕の振りがそう変わらないフォークもあるのだから、その制球力を高め、相手が何を狙っているかを察知する感性を磨けば、復活の可能性はある。ひとつ勝てば、真の新境地をつかむことになるのかもしれない。