2軍落ち斉藤佑に復活の芽はあるか
日本ハムの斎藤佑樹(27)が、またしても今季初勝利を手にできなかった。22日の東京ドームで行われたオリックス戦で、6回二死までわずか1失点にまとめゲームを作っていたが、突如、崩れた。 ポンポンとツーアウトを取ってから駿太にライト前、続く川端を四球で歩かせ、市川のパスボールで、二、三塁になると、山崎にフルカウントから難しいフォークをうまく右へ打たれ、二塁のグラブの下をすりぬけた。これで2点が入り、さらに続くピンチに、小田に甘いカットボールをライトスタンドへ運ばれた。結局、9安打、5失点、108球で降板を告げられた。 試合後栗山監督は、日程上先発ローテーションが足りていることから、2軍落ちを通告。それでも斎藤の可能性を信じ続けている栗山監督は「結果がすべてだが、悪いから外すわけではない」と再チャンスがあることを示唆した。 8月8日の楽天戦以降2軍暮らしから昇格して、先発に復帰して5回を2失点、15日の楽天戦も5回2/3を2失点に抑えるなど、いずれもゲームを作ってきた。栗山監督が、まだ見捨てない気持ちもわからないでもない。だが、本当に斎藤に復活の芽はあるのだろうか? パ・リーグの野球に詳しい評論家の池田親興氏は、あの小田に打たれた1球が重要だったという。 「味方のミスもあったが、先発の責任を果たせるかどうかの1球だった。カウント1-1からの甘いカットボール。変化球を狙われていた。ああやってインサイドを攻めるなら、フォーシームを見せるべきだったのかもしれない。そのあたりの相手の狙い、匂いを読み取る感性が足りなかった。今後も先発で生き残るために、見るべき点と、新しく作っていかねばならない課題の両面が見えた登板だった」 池田氏は、「見るべき点」は、先発復帰後に取り組んでいるフォークをウイニングショットとする変化球中心のピッチングスタイルにあるという。 「フォークを軸にボールを縦に動かすことに可能性を見出した。そうなるとコントロールとキレ、配球が重要になってくるが、もっとフォーシームというボールをうまく使うべき。横浜DeNAの三浦大輔のように投球術で先発として結果を出しているピッチャーがいるのだから、課題を克服していけば、斎藤にも先発でやっていける可能性はあると思う」