「草ぼうぼうの太陽光パネル」各地に出現の危うさ…太陽光発電設備の周辺の下草に引火した事例も
■草ぼうぼうは発電事業者にとってデメリット 太陽光発電設備による悪影響に詳しい「比企の太陽光発電を考える会」の小山正人代表は「年に1回とか多くても3回くらいの草刈りでは雑草を抑えられません。太陽光発電施設の転売に伴う説明会などに行き、それを指摘すると、事業者は必ず、『雑草が伸びて太陽光パネルが日陰になり、発電効率が落ちると自分たちがソンをする。だからちゃんとやりますよ』と言うんです」と話し、基本的に手をかけたくない、という事業者側の姿勢に問題があると強調する。
実際、雑草の繁茂は、発電事業者にとってデメリットでしかない。話を聞いたメガソーラーの雑草管理担当者も「太陽光発電のパネルって、一部に草木の影ができるだけでも発電効率がどんどん落ちていきます。それに、最近頻発している銅線ケーブルの盗難も、草ぼうぼうの状態だと被害にあう可能性が高い。警察にも注意されました」と明かした。 このメガソーラーの近隣地域の有力者によると、発電事業者、保守点検責任者がとりわけずさんである、ということではなさそうだ。「年1回専門業者を入れて草刈りはずっと続けてきていると思う。プラスアルファで、地元の人が協力して、地域の人を雇って雑草を刈っているとも聞きました。ただ気候が違ってきているようで、これまで通りの頻度の草刈りでは間に合わないんじゃないですかね」と言うのだ。
この有力者は、こうも語った。「われわれの茶飲み話で、『どんどん草木が伸びてあんな太陽光パネルを覆っちゃってくれた方がいいよな』みたいな声が出ます。このメガソーラーが計画された当時、地域からは『田んぼに変な水が入ってこないようにしてくれ』という注文を付けましたが、景観や管理の問題を含め、悪影響についてはわからなかったのです」。 ■草ぼうぼうの太陽光設備がなぜ問題なのか 2024年9月、経済産業省の審議会「産業構造審議会電力安全小委員会」が開かれ、事務局の経産省電力安全課がメガソーラー火災について説明した。