球界大御所は巨人田口とヤクルト広岡の電撃“格差トレード”をどう見たか…「ヤクルトは順位を4位に上げる可能性が出てきた」
一方、巨人に移籍することになった同姓の広岡を“球界大御所”は高く評価していた。 「広岡はパンチがあり、打てる、守れる、走れるのすべてが揃った選手。大型のショートストップだ。ここまで開花できていないが、一流の素材だと思う。それを育てきれていないヤクルトもヤクルトだが、巨人が同一リーグのトレードに踏み切ったのも理解できる選手だ。問題は、巨人の指導力。ヤクルトでは外野もやらせていたが、ポジションを固定させ、レギュラー候補として腰を据えて育てるべき。巨人の育成能力も問われる。私がこのトレードの成否は行った先の起用法、育成方法次第と言ったのは、そういうことだ」 広岡は、智弁学園で岡本和真の1年後輩にあたり2015年のドラフト2位でヤクルトに入団。ルーキーイヤーには横浜DeNA戦で、その日が引退試合だった三浦大輔(現監督)から初打席初本塁打を放ち世代交代を印象づけた。2019年には10本塁打、昨年はスタメン、代打、代走などで87試合に出場、打率.215、8本塁打だった。粗削りだが一発の魅力があり巨人のヘッドコーチである元木大介のような存在になれる逸材。昨年は本来のポジションのショートに加え二塁や外野など複数のポジションをこなした。広岡氏が指摘するようにヤクルトでブレイクしなかった大器を巨人がどう育成するかも注目だろう。 田口は球団を通じて「ジャイアンツでの7年間は、非常に濃い時間でした。ジャイアンツの皆さんには本当に感謝しています。東京ヤクルトスワローズでも田口麗斗を応援してもらえるよう頑張ります」とコメント。広岡も「突然のことで正直、驚いています。スワローズではたくさんの方々にお世話になり大変感謝しています。新天地で活躍することが、皆さんへの恩返しにもなると思いますので、新たな気持ちで頑張っていきたいと思います」と新天地での活躍を誓っている。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)