ゲーム機は没収すべき? 不登校の間、家ではどう過ごしたらよいのか「再登校」より優先したいこと
◆不登校になったとき、頼るべき相手は誰? 担任に相談しにくい場合は
「うちの子、不登校では?」と保護者が感じたとき、まずは誰に相談すべきでしょうか。スクールカウンセラーとしての勤務経験がある公認心理師の吉田克彦さんは「まずはクラス担任へ相談を」とアドバイスします。 【グラフ】不登校児童生徒数、11年連続で増加し過去最多 「内容によっては担任に相談しにくい場合もあるでしょう。その際は、学年主任や養護教諭や管理職でも構いません。普段のお子さんのことを分かっていて、学校の状況や家庭環境もわかっている人が理想です。スクールカウンセラーへの相談もいいですが、平日昼間の対応がメインですから、共働きの保護者が通うのは難しいかもしれません。その場合は、平日の夜間や土日に相談できる民間のカウンセリングもおすすめします」 最近は小児科医も不登校に関して研修を重ねているケースがあり、「かかりつけの小児科で相談するのも選択肢」となっているそう。
◆不登校の引き金となった原因と、親子関係の再構築の両方からアクションを
子どもが不登校になると、保護者は「なぜ不登校になったのか」と原因を追究するでしょう。吉田さんは「不登校の引き金となった原因と、親子関係の再構築の両方から探るのが大切」と語ります。 「不登校の原因を探るときに注意したいのは、水掛け論になることです。例えば、いじめ被害で不登校になったAさんについて周りに話を聞くと、『もともとは加害者だった』というケースはよくあるんです。Bさんたちにいじわるしていたけど、成長とともに立場が逆転したんですね。そうすると『Bさんたちは仕返ししただけ』となり、『どちらが悪いか』という水掛け論になってしまう。 そういうケースを踏まえると、不登校の原因をなくそうと尽力するだけでなく、『次に同じ状況になったときにどうしたらいいか』を子どもと一緒に考えるのが先決です。相性の悪い友達がいるのなら、クラスを変えてもらう。トラブルが生じたら、すぐに教員に相談する。そういった対処の仕方を共有しておくといいでしょう。 もちろん、いじめ初期の段階で介入していない学校にも問題があります。その経緯も踏まえて『じゃあ、今からどうするか』を考えていくことが重要です」 加えて、吉田さんは「家庭を見直す必要は必ず出てくると思ってほしい」と強調します。なぜなら、スクールカウンセラーや民間のカウンセリングに相談したとしても、面談時間は週に1度、1時間程度がほとんどだからです。 「子どもと多くの時間を共有する保護者との関わりは大きく影響するため、どう接すれば不登校のケアができるか一緒に考えていく必要があります。私の場合は次のカウンセリングまでどう過ごすか、週に1度の面談で作戦会議をして、子どもの自己肯定感を高められるような提案をしていきます。さまざまなカウンセリングの方法がありますから、まずはスクールカウンセラーなどに相談してみるといいと思います」