ホンダGB350に見るホンダの英国風トラディショナルバイクへの情熱
穏やかな乗り心地を追求した車体
一方の車体はというと、開発当初はコミューターとして、実用的な使い勝手を重視したつくりとしていました。ところが、インドで実施した、テスト試乗の際に、現地の人たちに大きな感動を与えられませんでした。 悩む山本さんの助けになったのは「ネイキッドスポーツのCB400スーパーフォアで通勤する人も、いるだろう?」という、ある人からのアドバイスでした。これによって、よりファンモデルとしてのバイクの楽しさを追及する方向性へとシフトすることができたんだね。 こうして完成したフレームは、穏やかな操縦フィールを得るために、エンジンハンガーの位置も、ヘッドパイプからからの距離を長くとっています。 スイングアームがピボットを挟み込むように装着されるのも適切な剛性感を実現するためなんです。前19インチ、後18インチのホイールが、キャストホイールなのも適切な剛性を得るためだし、GB350の味わいはすべて開発チームが計算しつくして、作っているんだね!
SRと入れ替わるように登場したGB350シリーズ
そうした開発の努力を経て2020年9月、ハイネスCB350としてインド市場で発表されます。その後、2021年2月には、オンラインイベントでGB350という名前で日本国内発表、同年4月に発売されました。じつに24年ぶりに「GB」が復活したのです! 奇しくも2021年は、リアルトラッドシングルだったヤマハ SR400がファイナルとなった年。GB350の登場は、時代の移り変わりを印象付けるものとなりました。 その後GB350には、2021年にリヤタイヤを17インチ化して、ラジアルタイヤをはいたネオレトロ寄りな構成のGB350S、2024年に前後をディープフェンダー化してクラシカルな外観にまとめたGB350Cが、バリエーションモデルとして追加されました。 こうして登場したGB350シリーズ。小型二輪クラス(251~400cc)の売り上げ台数で、発売された2021年にいきなり2位となり、2022~2023年は2年連続1位独走中という大人気車となりました! GB350シリーズをよく見ると、トラディショナルなスタイリングでも、走りの機能を時代に合わせて進化させようとする情熱が感じられるよね。変わらない良さの中に変わっていく良さがある。英国風のトラッドな佇まいのバイクが気になる人は要チェックなバイクだぜ!
────────── ●文:88サイクルズ@てんちょー/Vtuber/イラストレーター(ヤングマシン編集部) ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ヤングマシン編集部