東海大菅生の2年生左腕・上原慎之介はチームの歴代名左腕に負けないポテンシャルの持ち主だ!【春季関東大会逸材分析】
<春季関東大会:東海大菅生3-2昌平>◇20日◇準々決勝◇上毛新聞敷島野球場 東海大菅生が5年ぶりの関東大会ベスト4進出を決めた。昌平戦で好投を見せたのは2年生左腕・上原 慎之介投手。スリークォーター気味から繰り出す直球は常時120キロ台後半~136キロを計測し、120キロ台前半のスライダー、スプリットを両サイドへ投げ分ける。浦和ボーイズ時代から130キロ台前半の速球を投げ込んでいた投手だった。昨年、プロ入りした日當 直喜投手(楽天)のドラフト前取材で、東海大菅生グラウンドで投球練習を見かけたが、1年生とは思えないほどキレの良いストレートを投げ込んでいた。2年生の段階で主力投手へ登り詰めており、順調に成長をしている。 【トーナメント表】春季関東大会 20日までの結果 近年の東海大菅生の左腕エースといえば、2019年の中村 晃太朗投手(JFE東日本)、2021年に春夏甲子園出場に導いた本田 峻也投手(亜細亜大)がいるが、どちらかというと中村寄りの投手だろう。中村は左スリークォーターから130キロ台中盤の速球と3種類のチェンジアップを操る技巧派だった。上原もスリークォーター気味でネット裏から見ると良く似ている。若林弘泰監督は「ポテンシャル自体は(中村)晃太朗より上でしょう。だが投手としては足りない物が多くあります」と厳しい。現状の課題についてこう語る。 「野球に対する考え、物事の捉え方が私と彼の会話を見ても物足りなさを感じます。あとは完投能力。晃太朗の場合、しっかりと試合を作れて完投が出来る投手で、考えも意識も高い投手でした。そこを乗り越えていけば、先輩投手に負けない投手になるでしょう」と期待する。 強打の昌平打線相手に無失点に抑え、完封を狙ったが、9回に制球を乱し、途中降板。若林監督は「上原については一本立ちしてもらいたい思いで、完投してほしかったんですが…。今日は無失点に抑えていたとはいえ、先頭打者に四球を与えたり、コントロールもばらつきがありました。課題はありますが、楽しみにしている投手です」と厳しく見ながら上原を育てている。 上原も「今日は完投したかったですが、9回はコントロールを乱してしまい悔しかったです。前半はストレートとスプリットが上手く投げ分けができたので、次回に向けて修正したい」と意気込んだ。 関東大会の経験で、さらに打たれにくい投手へ成長できるか注目だ。