夜明けまで国会前に人間バリケード…「私がいなければ民主主義が崩れる」=韓国
4日午前4時30分、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が開いた国務会議で「非常戒厳」解除案が議決されると、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会前に集まった市民は一斉に歓呼した。市民は「尹錫悦を逮捕しろ」「尹錫悦を弾劾しろ」などと叫んだ。 非常戒厳の解除が伝えられると、国会の内外に配置された軍人と警察はほとんど撤収したが、国会の前に集まった人たちは席を外さず国会を守った。国会の正門前では市民が政府に向けたリレー発言を続けた。発言が始まると、すぐに20人ほどの待機者の列が形成された。 発言台に立った40代のイムさんは「(戒厳令を)解除したが、大統領の言葉は信じられない」とし「朝の出勤時間に道路が渋滞するまで、タンクが入って来ることができない時まで国会を守ろう」と呼びかけた。職業が歌手というある市民は「真夜中になぜ平凡な私たちが怒りを感じて 立ち上がらなければいけないのか」とし「今回の戒厳令は解除されたが、今後もないという保証はない。我々の力で民主主義を実現しよう」と述べた。戒厳解除が伝えられると、娘と同行した若い夫婦や大学生など市民は国会を背景に「認証写真」を撮ったりもした。 午前5時ごろ、国会議事堂駅1番出口前の道路では十数人の市民が一列に座って人間バリケードが形成されたりもした。一部の市民は拡声器で「(軍部隊が)また来るかもしれない」とし「最後まで国会を守ろう」と叫びながら互いに励まし合った。カン・ソンギョンさん(29)は「朝に出勤しなければいけないが、装甲車部隊など武力を防ぐためにひとまずここを守ろうと思う」とし「私がいなければ民主主義が崩れるかもしれないという考えで臨んでいる」と語った。 前日の「非常戒厳」宣言後、国会正門前の8車線道路は車両の通行が統制され、大きな広場が形成された。市民はろうそくやフラッシュをつけた携帯電話を手に歌を歌った。一部の労働組合と政党は舞台を設置し、「夜が明けるまでこの場所を守ろう」と叫んだ。 この日午前7時10分ごろ出勤時間が近づくと、国会前の道路の通行制限は解除されたが、約50人の市民が国会前を離れず警察と対峙する状況も生じた。午前7時57分ごろには警察と対峙した50代の女性が倒れ、救急車が出動した。 午前9時を過ぎると、国会前に市民が三々五々集結し始め、「尹錫悦は退け」などと書かれたカードを持ったデモ参加者が増えた。仁川(インチョン)から始発に乗ってきたという高校3年のキム君(17)は「学校を欠席して来た。私たちがここでもう少し熱心に叫んで大統領を退かせよう」と話した。