「この順位はヤバい」青学大“1区10位”の誤算でも…じつは余裕だった? 原晋監督が予言していた“箱根駅伝の圧勝プラン”「普通に走れば独走」
「さすがにこの順位はヤバい」それでも悲壮感はなく…
昨年と一昨年の箱根覇者が牽制し合う中、その警戒網を抜け出した吉居は快速ひとり旅で大きく抜け出す。レース終盤、20km地点で宇田川は2位集団からふるい落とされ、1mそして2mと離されていく。中継バイクからは実況の叫び声が響く。 「チャンピオン・青山学院にピンチが訪れています」 残り1.3km、「さすがにここ(この順位)でタスキを渡すのはヤバい」という危機感で必死に足を前に繰り出し続けた。なんとか10位に滑り込んだが、区間賞の吉居との差は1分44秒。1区の結果を速報で伝える記事には「昨年王者、出遅れ」の見出しが躍った。 鶴見中継所を後にしようとする宇田川を記者が取り囲むと、「最低でも2位は取りたいなっていう風に思っていたんで、かなり悔しい」という反省の弁が返ってきた。ただ、その声色に悲壮感はまるでない。優勝の味を知る昨年のアンカーは下を向くことなく、茶目っ気たっぷりにこう語った。 「監督からは『先頭と30秒以内なら合格点』っていうのを言われていました。今回、結果としては1分以上離されてしまった。ただ、國學院さんと駒澤さんと十何秒差で行けたというところで大目に見てもらいたいです」 どこか余裕を感じさせる、許しを乞う言い回し。裏を返せば1分44秒差であっても「あとは他のメンバーがやってくれる」というチームへの信頼感があるのだろう。一体、その余裕はどこから来るのか。
「復路はピクニックランに」原監督の絶対的な自信
今季の青学大は、結果だけ見れば出雲駅伝3位、全日本大学駅伝3位と國學大、駒大の後塵を拝してきた。だが、原晋監督は箱根駅伝には並々ならぬ自信を見せていた。12月10日のエントリーメンバー発表の会見では「普通に走れば独走」と宣言。同12日の壮行会でもこうぶち上げた。 「若林(宏樹・4年、5区)にわたるまでに2分以上の差をつけて気楽な気持ちで山決戦に臨むことができれば、おのずと復路についてはピクニックランができるのではないかなと思っています」 山決戦で勝つのではなく、山決戦までの布陣で勝てるチーム。楽しげな雰囲気漂う「ピクニックラン」の予告。その余裕の源泉は指揮官の箱根必勝プランにあった。昨年の箱根駅伝は「勝てると思っていなかった」と吐露していた指揮官が今年は手応えを隠さず、2日のスタート直前に文化放送のリポーター・柏原竜二の取材に答え、「往路のオーダーは盤石。これで負けたら原メソッドの終焉」と言い切ってみせた。
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