お隣さんが《加害者》と《被害者》に…高騰がつづく日本マンションで、いま起こっている「意外すぎるトラブル」の一部始終
マンション管理費にも「値上げの波」
物価高のなか、円安の影響や海外投資家のマンション爆買いによって、不動産価格の高騰が続いています。特に都心部のマンションでそれが顕著で、東京23区の新築マンションはこの10年で約1300万円も値上がりしたと日本経済新聞で報道されました。 【マンガ】「憧れのタワマン生活」が一転…!残酷すぎる「格差の現実」 ご存じの通りマンションを購入すれば管理費や維持費などの諸々の諸経費もかかりますが、高騰しているのはマンション価格だけではなく、じつは管理維持費にも余波がきています。 例えば10月から30年ぶりに値上がりした郵便料金。この値上げは一般家庭にはほぼ影響はありませんが、マンション管理の観点からは異なります。 議案書、重要事項説明書、委任状、議決権行使書の郵送代とそれら書類を返送するための返信用の切手代も馬鹿になりません。 都内800戸のタワーマンションの理事は「3割がここに暮らしていない所有者なので、総会1回につき30万円以上の郵送費用がかかる。臨時総会の開催も考えなければならない」と悲鳴をあげていました。 一般的に総会案内、議案書、議事録は信書の扱いとなり、それを送れるのは日本郵便と国が許可した信書便事業者のみで、定められた方法以外は違反になります。 3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があるので原則郵送で送る方法しかありません。 一方、デジタルデータの記録は信書に当たらないため、費用圧縮やSDGsに取り組む一部管理会社はペーパーレス化にも取り組んでいます。しかしパソコンやスマホに詳しくないアナログ世代は紙での送付を希望するため、申し出があれば管理組合はそれに対応しなければなりません。 さらに近年の自然災害の影響による保険料の値上がりに連動して、マンションの共用部分の保険料も値上げが続いています。今年の10月にも大幅に値上げされ、全国平均で13.0%と過去5年間で最大の値上げ幅です。 マンション共用部の損害保険は、保険金が支払われると更新時に値上がりする仕組みで、5年一括契約の更新時に保険料が2倍近くになっている場合もあります。 特に古いマンションでは「洗濯機のホースの外れにより階下へ漏水してベニヤ板と建具が水濡れした」、「押入れの寝具一式も汚損した」といった事故が多く報告され、 あまりにも漏水事故の保険金の請求が頻発したために更新を断られた実例もあるほどです。