3年前フライングの村竹ラシッド、今季世界6位の好記録でリベンジ…「世界へ逆襲する」
2022年に12秒73の日本記録を作り、迎えた昨年の日本選手権はまさかの4位。世界選手権代表を逃した。今年は準決勝で五輪参加標準記録を突破したが、「同じ失敗をしたらどうしようと寝られなかった」。だが、スタートラインに立つと「少しのプライドと挑戦精神」を胸に秘め、序盤から先行して逃げ切った。
苦汁をなめて自分と向き合った。「肉は食べずに魚だけ。脂質をカットし1日2食」。肉体改造に取り組むと、日本記録達成時から体脂肪率は1%減の7%、体重は2キロ増の59キロになった。筋力の増した絞れた体で、推進力を取り戻した。
22年世界選手権では準決勝に進んだ。「12秒7台では、けちょんけちょんにされる。12秒6台で世界に食らいつく」。さらなる飛躍を狙う。(井上敬雄)
秦貫禄4連覇 五輪へ
女子走り幅跳びの秦は優勝が決まった後の6回目、さらに記録を伸ばす6メートル56を跳んで貫禄を見せた。昨年のアジア選手権で日本記録の6メートル97を跳び、五輪参加標準記録を突破していた。これまで2度の世界選手権では予選敗退に終わったが、「スカッとする跳躍をして、心の底から笑える五輪にしたい」と気合を入れた。
坂井連覇…男子100
男子100メートルを10秒13で制した坂井は「勝ちきれたことは成長。地力は上がっている」。抜群のスタートで先行し、2、3位との0秒01差の接戦を制した。今季は故障で出遅れたが、個人種目での五輪出場に望みが出た。「どうなるか分からないが、もう一段ギアを上げないと」と気を引き締めた。2位の東田旺洋(関彰商事)は個人での五輪代表に前進し「自分のレースをやりきれた」。有力候補から一転、個人での出場が微妙になった3位の柳田大輝(東洋大)は「正直受け止めきれない」と涙した。