実は史上初!? 大型トラックの「新車アセスメントプログラム」開始へ ユーロNCAPが安全性評価の詳細を公表!
安全性向上は事業者にとっても利益になる
トラック事故の特徴は、道路環境(都市交通・高速道路など)や衝突相手(乗用車・VRUなど)によって状況が大きく変わることだ。ユーロNCAPの新しい試験は実際の事故をエミュレートするもので、これによりメーカーに衝突回避技術の導入やドライバーの視界改善など促す。 ユーロNCAPが採用するアプローチは、優れた安全性をもたらす費用対効果の高い技術を強調することで、運送事業者がそれぞれの仕事において最も安全な車両を選択できるようにすることを目的としている。 メーカーが試験に対応するにつれて、試験の要件も進化する。2027年にはトラックの操縦性に係るアクティブ・セーフティの向上が求められる。続いて2030年にはトラックのクラッシュテスト(衝突試験)を実施する予定で、メーカーにパッシブ・セーフティの強化を奨励する。 車両試験は分野ごとに行なわれ、フォーカスするのは「都市部の地場輸送」「高速道路を使った集配送」「長距離輸送」「ダンプとゴミ収集車」となる。最初のレーティングは、2024年11月に発表される予定だ。 ユーロNCAPの戦略開発ディレクター、マシュー・エイブリー氏は次のように話している。 「ユーロNCAPの『トラック・セーフ』レーティングはこの業界で初めて導入されるもので、貨物輸送の関係者全てがトラックの安全性評価にアクセスできるようになります。これによりドライバーの安全性が向上するだけでなく、運送会社はより安全な車両への投資を増やすことで、保険会社や荷主へアピールすることができるでしょう。 また、トラックの安全性という市場を新たに創出することで、イノベーションに向けた競争をメーカーやサプライヤに促すことができます。 地方自治体は管轄する道路に合った車両を決定することができるため、インセンティブなどを導入しやすく、事業者としても、その仕事に最適な車両を簡単に決められる利点があります。 新しいレーティングは、ユーロNCAPの『小型商用バン』安全性評価スキームをベースにしており、商用車において『安全な車両=確実な利益』というユーロNCAPのメッセージを強化します」。