実は史上初!? 大型トラックの「新車アセスメントプログラム」開始へ ユーロNCAPが安全性評価の詳細を公表!
法定の安全基準を超えるためのベストプラクティス
2024年のNCAPは専門家や業界関係者も注目している。ユーロNCAPがトラックの安全性のパフォーマンス評価において、どのようなベンチマークを実行するのか示されるからだ。 トラックは創造的な経済を実現する上で不可欠の役割を担っているが、重大な交通事故のかなりの部分にトラックが関係しているのは世界に共通する事実だ。 ユーロNCAPはEUの安全性規則(トラックに先進安全装備などを義務付ける「新GSR」が2024年7月から施行される)に先駆けて、それを上回る評価スキームを設計するとともに、欧州の商用車セクターの多様な要求のバランスをとり、イノベーションを推進することを目指している。 大型トラック用の評価スキーム公表に際して、ユーロNCAPの事務総長、ミシェル・ファン・ラーティンゲン氏は次のようにコメントしている。 「本日はユーロNCAPの『トラック・セーフ』評価スキームの開発において記念すべき日です。 残念なことにトラックが関係する事故は、その大きさと重量により、交通弱者(VRU、歩行者や自転車など)の死亡リスクが大幅に高くなります。ユーロNCAPは、命を救うためのより良い技術をトラックに搭載する必要があることを強調します。特に衝突回避、視界の改善、衝突後の被害軽減などが重要です。 本日アナウンスされ、来月に正式公開するプロトコルは、過去10年間の間に乗用車向けに開発された試験方法のベストプラクティスが、より安全な大型トラックを設計する上でも役に立つことを示しています。 評価に先立って必要な要件と手続きを明らかにするのは、業界関係者がこれに注目し、対応していただきたいからです。DAF、スカニア、ボルボ、ZFなど先進技術を有する大型商用車業界のメーカーが、NCAP24に参加してくれたことを嬉しく思っています」。 ユーロNCAPが2023年に大型トラックの安全性評価を行なうと発表してから約1年となるが、その間、車両メーカーと緊密に連携し試験を開発してきたといい、運送会社、代理店、保険会社、行政当局と政治家、関係団体などとも話しあったそうだ。 EUの交通事故死者数の25%はトラックとVRUの事故によるものとされ、乗用車がそうであったように、メーカーが法定の「最低基準」を超えた安全装備を搭載するためのインセンティブとなることをNCAPは目指している。