〔東京外為〕ドル、156円台=日銀総裁、利上げ示唆なく急騰(19日午後5時)
19日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、日銀が追加利上げを見送ったことに加え、会合後の会見で植田総裁がハト派的な姿勢を示したことで、買いが強まり1ドル=156円台前半に急騰した。午後5時現在は、156円48~48銭と前日(午後5時、153円57~59銭)比2円91銭の大幅ドル高・円安。 午前は実需買いで154円90銭近辺に上昇。同水準でもみ合った後、日銀会合の結果公表を控えた調整売りで154円40銭台に軟化。正午前に日銀会合の結果が公表され、追加利上げが見送られると、買いが強まり、正午すぎには155円40銭台に水準を切り上げた。 午後は植田総裁の会見を前に、様子見姿勢が広がり、155円20~40銭台でもみ合った。午後3時半からの会見で、植田総裁が米国次期政権の政策について「不確実性が大きい」などと発言したことを受けて買いが強まり、156円70銭台に急伸し、11月15日以来、約1カ月ぶりの高値水準となった。 日銀は政策金利の据え置きを決定。市場予想通りではあったものの、「一部で追加利上げに踏み切るとの見方があった」(国内銀行)ため、円を売る動きが強まった。 一方、午後の植田総裁会見では、「1月利上げに向けた示唆がなく、1月も利上げを見送るとの見方が広がった」(大手証券)とされ、一段のドル買い・円売りを誘った。 日米の決定会合を通過し、ドル円は「円買い材料がないため、日米金利差を意識したドル買い・円売りが継続する」(同)との声が聞かれた。 ユーロは対円で大幅高、対ドルで下落。午後5時現在、1ユーロ=162円63~68銭(前日午後5時、161円20~21銭)、対ドルでは1.0394~0395ドル(同1.0496~0497ドル)。