「地方創生」が一票の行方を左右 「稼げる地方に」「消費回復を」各地で政治に期待の声
被災地の復興には、人の流れが欠かせない。能登半島地震で被災した石川県輪島市の輪島塗職人、田谷昂大（たかひろ）さん（33）の漆器店では、自前での製造が困難となり、付近の同業者に外注していたが、9月の豪雨災害で納品に遅れが出ている。「輪島塗を広く知ってもらえるよう、世界に発信する機会がほしい」と強く望んだ。
東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた岩手県大船渡市では、地元の商店街協同組合理事長を務める伊東修さん（71）が「働く場所が少ないために景気が悪く、商店街を訪れる人も少なくなっている」と口にした。隣接する陸前高田市の商工会会長の伊東孝さん（71）が危惧するのも人口流出だ。「若者が地元に残りたくても残れる場所がない」
一方、京都市では、逆に訪日客の増加に伴うオーバーツーリズム（観光公害）が問題に。「京の台所」としてにぎわう錦市場では、時間帯によっては通行困難となるほど観光客が押し寄せる。9代続く鮮魚店を営む藤田仁さん（47）は「（店から）自転車を出すのも一苦労。地域の生活を守ることを軸に議論してほしい」と要望した。
