産業用「ヒューマノイドロボット」が工場や物流現場で実用段階へ
Figure 02は、6つの内蔵カメラによる高度な視覚システムや人と同じ5本指の手により、物体の位置などを正しく認識、最大25kgの荷物を取り扱える。バッテリー稼働時間はFigure 01に比べて1.5倍、OpenAIの技術による音声コミュニケーション能力を搭載し、物流や製造業界の現場での活用が見込まれている。2024年8月には、BMWグループがFigure 02を製造ラインに導入できるかを検討するテストを行った。
Apptronik『Apollo』 ApptronikのApolloもまた、倉庫や工場で人が担ってきた作業の効率を高めることを目指して開発されている。ヒューマノイドとしては力持ちなほうで、約25kgまでの物品を持ち上げて運搬できる。バッテリーが交換可能になっているため、交換用に複数のバッテリーを用意しておけば、充電のためのダウンタイムをなくすことができる。 また、他の作業員などとの混在環境で安全に作業をこなすため、ぶつかりそうな範囲にいる人や動く物体を検出する能力に優れているのも特徴のひとつだ。
Apolloは、人への負担が高い反復作業だけでなく、あらゆる作業で安全性を保ちながら適応できるように開発が続けられている。 ■人間のような豊かな表情を実現 Engineered Arts『Ameca』 英のEngineered Artsが開発するAmecaは、人の仕事を代わりにこなすのではなく、人間とふれ合うロボットの実現を目指している。 特筆すべきはその豊かな表情だ。Amecaには先に紹介してきたような産業用ヒューマノイドとは異なり、顔がある。そして、唇に12個、顎に2個、眼に4個、まぶたに4個、眉毛に4個、鼻に1個を含む、合計32個のアクチュエーターを使った高度な表情機能により、人間のようにスムーズで本物のような感情をその顔で表現できる。さらにOpenAIのChatGPTを利用した会話機能も追加されている。